≪論文≫会計からみる公益法人制度改革の課題と可能性

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日本大学教授 尾上選哉


キーワード:

公益法人制度改革 受託責任会計 法人主体理論 財産目録 決算公告制度 規模別会計基準


要 旨:

 本稿は、会計の観点から、公益法人制度改革の趣旨に照らして新公益法人制度が有効な社会システムとして機能しているかについて、現状を検討することを通じて改善すべき課題を明らかにするとともに、会計が今後の公益法人制度の発展にどのように寄与し得るかを論じるものである。

 具体的には、①公益法人会計の特異性、②受託責任遂行状況の開示、③情報開示制度、④Proportionality Principlesに基づく規模別会計基準の設定、という観点から、4つの課題を抽出し、各々の課題に対する私案を提示している。そして、それらの課題を克服することが「民による公益」の増進、公益法人制度の更なる発展につながるのではないかと考えられる。


構 成:

Ⅰ はじめに

Ⅱ 新公益法人制度の現状

Ⅲ 公益法人会計の課題と可能性

Ⅳ 「民による公益」の増進に向けて(まとめ)


Abstract

 In Japan, a major reform of the legal framework of Public Interest Corporations (PICs) took place to promote sound development of non-governmental/not-for-profit activities in December 2008, and more than 10 years have passed since then. This article aims to assess the PICs status quo of whether the new system is functioning as an effective social system from the accounting perspective, and to identify issues or challenges to improve for the development of the PICs system.

 Specifically, four issues were identified from the viewpoints of ⑴ the peculiarity of accounting for the PICs, ⑵ disclosure of the status of fulfillment of stewardship responsibilities, ⑶ the disclosure system of PICs, and ⑷ setting of accounting standards by size based on the proportionality principles. Solutions for each four issues are offered. Overcoming the issues will lead to the sound promotion of “public interests”, and further development of the PICs system.

Ⅰ はじめに

 本稿の目的は、2008(平成20)年12月1日に施行された公益法人制度改革関連三法により新公益法人制度がスタートし、2018(平成30)年で10年の節目を迎えたことに鑑み、会計の観点から、公益法人制度改革の趣旨に照らして新公益法人制度が有効な社会システムとして機能しているかについて、現状を検討することを通じて改善すべき課題を明らかにするとともに、会計が今後の公益法人制度の発展にどのように寄与し得るかを論じるものである。

 なお、本稿のタイトルをみると公益法人会計基準が想起されるが、本稿は公益法人制度改革に基づく新公益法人制度を検討対象としていることから、公益社団法人および公益財団法人(以下、「公益法人」という。)のみならず、一般社団法人および一般財団法人(以下、「一般法人」という。)に係る会計をも検討の対象として含んでいる。


Ⅱ 新公益法人制度の現状

1 公益法人制度改革

 1896(明治29)年の民法制定と共にスタートした公益法人制度は、2008(平成20)年の公益法人制度改革に至るまでの110年以上にわたって、日本における民間非営利部門の活動の中心的な役割を担ってきた。公益法人の設立は、改正前民法第34条において主務官庁による「許可主義」によるとされていた。また設立後、公益法人は主務官庁による指導監督を受けることとされていた。このような主務官庁の設立における「許可」は、法律などに基づくことなく、主務官庁の自由裁量によるものであったことから、主務官庁ごとにその判断が行われる結果、設立許可の基準が異なる、統一性・整合性を欠くという問題が生じていた。この問題は、主務官庁に自由裁量が与えられている、つまり「監督官庁のまったく自由な判断による」(星野[1998]94頁)ことの当然の帰結であった。

 また、改正前民法第34条が「祭祀、宗教、慈善、学術、技芸其他公益ニ関スル社団又ハ財団ニシテ営利ヲ目的トセサルモノハ主務官庁ノ許可ヲ得テ之ヲ法人ト為スコトヲ得」(傍点筆者加筆)と規定していたことから、公益法人として設立が認められるのは「非営利かつ公益目的」の社団ないしは財団であり、「非営利、公益を目的としない」社団ないしは財団(いわゆる、共益団体)には法人格を取得する術が存在していなかったのである。しかしながら、実際には、主務官庁の裁量によって、共益目的の組織が公益法人として許可される例は少なくなく、問題視されていた(小山[2009]120頁)。

 このような状況を鑑み、多様化する個人の価値観や社会のニーズに対応するために、公益法人制度改革は、「民間非営利部門の活動の健全な発展を促進し民による公益の増進に寄与するとともに、主務官庁の裁量権に基づく許可の不明瞭性等の従来の公益法人制度の問題点を解決すること」(内閣府[2008]3頁)を目的として実施された。

 公益法人制度改革により、非営利目的のいずれの組織は、公益目的であるか否かを問わず、一定の要件を満たせば、登記手続きのみ(準則主義)で一般法人を設立し、法人格を取得することが可能となったのである。主務官庁の裁量権に基づく許可主義の廃止である。新公益法人制度の下では、非営利かつ共益目的の組織も登記手続きによって、容易に法人格を取得することができるようになったのである。

 また、新公益法人制度に「公益認定」という新しい制度が導入された。旧公益法人制度では、主務官庁が自由裁量によって法人の公益性を認定し、許可を付与していたが、公益性認定と法人格の取得が切り離されたのである。公益認定制度は、一般法人のうち、「公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律」(以下、「公益法人認定法」という。)の定める一定の基準を満たしていると認められた法人は、内閣総理大臣ないしは都道府県知事の公益認定を受けて公益法人となることができる制度である。一定の基準を充足しているか否かの判断は、民間有識者から構成される国の公益認定等委員会ないしは都道府県の合議制の機関(以下、国および都道府県の機関をまとめて「公益認定等委員会」という。)が行うこととなっている。法令および公益認定等委員会の公表するガイドラインに基づいて、公益認定等委員会が公益性の判断を行い、その判断に基づき内閣総理大臣ないしは都道府県知事が認定を行うこととなっている。新公益法人制度における公益認定等委員会は、英国(イギリスおよびウェールズ)におけるチャリティ委員会(the Charity Commission)をモデルとして導入された、公益性に関する専門的知見を有する合議制の第三者機関である。「内閣総理大臣の知見を補完し、実態に即した適切な判断を行い、かつ、各省庁の意向に左右されることなく適切に裁量を行使することにより、内閣総理大臣が行う公益認定、監督処分等の客観性、透明性を確保し、この認定制度に対する信頼性を確保しようとする」(新公益法人制度研究会[2006]225頁)ものであると考えられている。


2 公益法人制度改革による法人類型

 新公益法人制度の下では、上述のように、一般法人(一般社団法人および一般財団法人)を準則主義により設立することが可能となり、一般法人のうち、公益認定等委員会により公益認定を受けることにより、公益法人(公益社団法人および公益財団法人)になることができるようになっている。新公益法人制度は、旧公益法人制度における「公益目的」ではなく、「非営利目的」を法人設立の基準としたため、一般法人は営利を目的としない(非営利)、①公益(public benefit)を目的とする法人と、②共益(mutual benefit)を目的とする法人が共存している。公益法人は営利を目的とせず、かつ公益を目的とする法人となっている。新公益法人制度においては2つの法人類型が存在することから、「2階建て」と呼ばれることがある1)図表1参照)。


図表1 新公益法人制度の法人類型

                 (内閣府[2019]3頁をもとに筆者作成)


 新公益法人制度の現状把握の1つとして法人数をみると、図表2の通りである。新制度の施行日において、旧公益法人制度による公益法人(旧公益法人ないしは特例民法法人)の数は24,317法人であった(内閣府[2009b]11頁)。特例民法法人から新公益法人制度への移行期間が2013(平成25)年11月30日に終了したが、特例民法法人の内、8,998法人(37.0%)が新制度における公益法人に移行認定申請を行い、11,664法人(48.0%)が一般法人に移行認可申請を行った。なお、解散・合併等の法人数は3,650法人(15.0%)であった(内閣府[2014]85頁)。2019年12月27日現在、公益財団法人5,409、公益社団法人4,174、合計9,583の公益法人が活動しており2)、新公益法人制度において新しく設立された法人数は585法人であり、旧公益法人(特例民法法人)から公益認定を経て公益法人となった法人数は8,998法人である。一般法人の数は一般財団法人7,493、一般社団法人59,854、合計67,347となっている(図表2参照)3)


図表2 法人数の変化

(筆者作成)


 公益法人制度改革を通じて、民間非営利部門の中核を担う公益法人の数は24,317法人から76,930法人(一般法人および公益法人の合計数)へと52,613法人増加している。公益法人は移行認定の8,998法人から9,583法人へと585法人増加し、一般法人は移行認可11,664法人から67,347法人へと55,683法人増加している。法人数の変化から、一般法人の増加、中でも一般社団法人の増加が顕著となっている。


3 一般法人・公益法人の会計

⑴ 会計の役割および会計規定

 会計を「情報の利用者が情報に精通して判断や意思決定を行うことができるように、経済的情報を識別し、測定し、伝達するプロセス」(AAA[1966]p.1)であると捉えると、会計に期待される一般的な役割を次のようにまとめることができる。

 ・ ‌財産管理・運用に役立つ

 ・ ‌予算および決算の作成に役立つ

 ・ ‌財務状況(財政状態)および活動実績(経営成績)の明らかにするのに役立つ

 ・ ‌寄付者などの資源提供者に対する受託責任遂行状況の開示に役立つ

 ・ ‌外部の利害関係者の意思決定に役立つ情報の開示に役立つ

 新公益法人制度上の一般法人および公益法人の会計については、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」(以下、「一般法人法」という。)および公益法人認定法に規定が置かれている。

【一般法人に係る主な会計規定】

 ・ ‌一般に公正妥当と認められる会計の慣行に従う(一般法人法第119条)

 ・ ‌正確な会計帳簿の作成および会計帳簿等の保存(同第120条)

 ・ ‌計算書類等(貸借対照表、損益計算書、事業報告、附属明細書)の作成および保存(同第123条)

 ・ ‌貸借対照表ないしは貸借対照表の要旨の公告(同第128条)

 ・ ‌計算書類等の備置きおよび閲覧等(同第129条)

【公益法人に係る主な会計規定および会計の役割(一般法人に係る規定に加えて)】

 ・ ‌公益法人認定法上の様々な計数(公益目的事業比率、遊休財産額、公益目的事業財産額等)の提供

 ・ ‌公益法人の認定時および認定後の継続的なチェック

 ・ ‌事業計画書等、事業報告等(計算書類等を含む)の行政庁への提出、事務所への備置きおよび閲覧等

⑵ 一般法人および公益法人の会計

 一般法人法第119条(および第199条)は、「…会計は、その行う事業に応じて、一般に公正妥当と認められる会計の慣行に従うものとする」と規定し、一般法人の準拠すべき会計の原則を定めている。

 一般法人は、会計の原則およびしん酌規定「一般に公正妥当と認められる会計の基準その他の会計の慣行をしん酌しなければならない」(一般法人法施行規則第21条、下線筆者加筆)に基づいて会計を行う必要があるが、特に適用が義務付けられている会計基準はない。ただし、一般法人の行う公益事業や共益事業を鑑みると、2008(平成20)年の公益法人会計基準(以下、「2008年改正基準」という。)の他に、1985(昭和60)年の公益法人会計基準、2004(平成16)年の公益法人会計基準(以下、「2004年改正基準」という。)、公益法人会計基準以外の非営利法人会計基準(学校法人会計基準など)の適用が考えられる。また、一般法人が収益事業を実施する場合には、企業会計基準の適用も考えられる。

 公益法人も一般法人と同様に、会計の原則およびしん酌規定「一般に公正妥当と認められる公益法人の会計の基準その他の公益法人の会計の慣行をしん酌しなければならない」(一般法人法施行規則第21条、下線筆者加筆)に基づいて会計を行うことになるが、法律などによって特に適用が義務付けられている会計基準は存在していない。公益法人の会計に適用が考えられる会計基準は一般法人と同じである。

 内閣府が公表するFAQによると、一般法人および公益法人は、「利潤の獲得と分配を目的とする法人であることを踏まえ、通常は、公益法人会計基準を企業会計基準より優先して適用するものとなる」と指針を示している(内閣府[2019c]問VI-4-①)4)


4 公益法人会計基準

 公益法人会計基準は、1977(昭和52)年に公益法人監督事務連絡協議会申合せとして制定され、数次の改正を経て現在に至っている。公益法人会計基準は、制定当初、主務官庁の指導監督基準としての役割を担っており、その意味で、一般目的というより、むしろ特定目的の財務諸表作成のためのガイドラインであった。公益法人会計の目的は、理事者の会計責任を明らかにするという受託者会計(stewardship accounting)であり、収支予算に基づく収支決算が重要視され、収支計算書を中心とする財務諸表の体系となっていた。

 しかし、2004(平成16)年の改正により、公益法人会計基準の方向転換が行われ、①事業活動の透明性を向上させ、財に対する受託責任を明確にすることを通じて、国民に対して理解しやすい会計情報の提供、②公益法人の事業の効率性を評価・分析しうる会計情報の提供、③保有債券等の時価情報、関連当事者間取引等の情報開示を通じて、公益法人の財務内容の透明性の向上を図るという、会計情報の一般目的外部報告化、つまり不特定多数に対する情報提供を目指したものとなった。このような転換を推し進めるために、2004年改正基準は積極的に企業会計の理論と手法を導入し、企業会計と同様な意思決定有用性に基づく会計へシフトした。

 現行の公益法人会計基準は、公益法人制度改革に合わせて、2008(平成20)年に公益法人の行政庁である内閣府公益認定等委員会により公表されたものであるが、2004年改正基準を基本的に踏襲しつつ、公益認定の判断を可能とする会計情報作成の必要性から、公益認定等に資するように微調整がなされたものとなっている(齋藤[2019a]43頁)。

 2004年改正基準から2008年改正基準の主要な改正点は、齋藤[2019a]によれば、①会計基準の体系、②財務諸表からの財産目録の除外、③附属明細書や基金に関する規定、④会計区分ごとの情報表示、の4点である(43頁)。ここでは、①会計基準の体系の改正についてのみ確認をしておくことにする(②については後述)。会計基準の体系については、会計基準本体と運用指針の区分に意味をもたせている点である(同上)。会計基準本体は、「公益認定の判断」という特定目的から距離を置き、2004年改正基準が目指した財務報告の一般目的性(不特定多数に対する情報開示の方向性)を堅持しつつも、運用指針は公益認定の判断に資するという特定目的に配慮したものとなっているのである。

 上述したように、2008年改正基準は公益法人においてはもちろんのこと、一般法人においても企業会計基準に優先して適用されるべきであると考えられる会計基準である(内閣府[2019c]問VI-4-①)。


Ⅲ 公益法人会計の課題と可能性

 Ⅱの新公益法人制度の現状を踏まえて、Ⅲでは現状の公益法人会計が抱える課題を明らかにするとともに、課題に対する私案を提示することとする。


1 公益法人会計の特異性

 現行の公益法人会計基準に代表される公益法人会計は、公益法人と営利企業の間には利益分配という点を除けば、両者の活動には経済的な差異はないという前提に立ち、同一の経済事象には同一の会計処理方法を適用すべきであるとの考えから、積極的に企業会計の理論と手法が導入されている。この考え方は、米国における非営利組織会計の前提となっている(FASB[1980]para.1)。

 しかしながら、営利を目的とする企業と公益法人の存在目的は相違する。企業は事業活動を通して利益を獲得し、その利益を出資者(資本主)に分配することを、企業活動の究極的な目的としている。他方、非営利を目的とする公益法人の究極的目的は利益獲得以外のミッション(使命)の達成にあり、そのミッションの達成を目指す過程において剰余金が発生することはありうるものの、その剰余金はミッション達成のために再投資される。つまり企業のように出資者に利益(剰余金)の分配は予定されておらず、そもそも出資者のような持分権者は公益法人には存在していないのである。この相違から、次の課題を指摘することができる。

課題1
 持分権者の存在しない公益法人に、資本主理論に立脚する企業会計の理論と手法を導入している

 資本主理論とは、資本主(出資者)の立場で会計を行うべきとする考え方であり、企業を出資者あるいは出資者の集合体として捉える考え方である。この考え方に基づけば、貸借対照表における資産は出資者にとってプラスの財産を、負債はマイナスの財産を意味し、資産と負債の差額である純資産は出資者にとっての正味の財産(資本主の富の大きさ)を表す。そして、一会計期間の損益計算は、資本主の富の増減として説明される。

 課題1により生起する問題点は、一般社団法人および公益社団法人に認められている資金調達の手段である「基金」(一般法人法第131条)の会計上の取扱いである。法人にとって、基金は法的には返還義務を負うものであるが、公益法人会計基準上、正味財産の部に計上することとなっている(公益法人会計基準注解・注5)。これは、基金制度が「剰余金の分配を目的としないという一般社団法人の基本的性格を維持しつつ、その活動の原資となる資金を調達し、その財産的基礎の維持を図るための制度」(新公益法人制度研究会編[2006]91頁)であり、一般法人法上、他の債権に対して劣後する(一般法人法第145条)ことに鑑みて、株式会社における資本金に似た位置づけを行っていると考えられる。しかしながら、他の債権に対して劣後するものの、企業会計においては、返済義務の存在が明確であることから負債に該当するとの考え方もある。

 また、正味財産の区分をどうするかの問題もある。現行の公益法人会計基準は2004年改正基準以降、正味財産の区分を資源提供者の使途の有無により「一般」と「指定」の2区分にしているが、米国で以前採用されていたような「永久拘束」「一時拘束」および「非拘束」という3区分もある。

 このような問題に対して、次のような対応をすることにより、その解決が可能であると考えられる。

課題1への対応:
 持分権者の存在しない公益法人には、企業会計でいう企業主体理論(法人主体理論)に立脚する会計理論を構築し、会計手法等を検討する

 企業主体理論とは、企業をその所有者である資本主から独立した存在として捉え、企業そのものが会計主体であるとして会計を行うべきとする考え方であり、公益法人の文脈では法人主体理論ということができよう。この考え方に基づけば、貸借対照表の借方(資産)は資金の具現・運用形態を、貸方は資金の調達源泉を表す。貸方は返済義務の有無により、負債と純資産(正味財産)に区分されるが、資本主理論における負債と純資産の区分のような重要性はなく、資金の調達源泉という観点からすると負債と純資産(正味財産)は同質ということになり、次のように貸借対照表を表示することができよう(齋藤[2016]270頁)(図表3参照)。


図表3 法人主体理論による貸借対照表(イメージ)

(筆者作成)


 貸方について、返済義務の有無、使途拘束の有無に基づいて記載し、あえて負債と正味財産の区分をしないことにより、基金が負債ないしは正味財産に該当するかの議論を回避することもできる。また、情報提供を重視するのであれば、情報利用者の意思決定の有用性に基づいて2区分ないしは3区分すればよいし、また理事者による積立てなどの内部者による使途拘束についても外部資源提供者の使途拘束なしに区分した上で、明らかにすることも可能であろう。


2 受託責任遂行状況の開示

 公的機関の行政活動等に対する国民の知る権利や情報開示(ディスクロージャー)の重要性が認識されるようになり、公益法人などの非営利法人においても同様に、情報開示の重要性や必要性が議論されてきた。会計の領域においては、上述したように2004年改正基準が