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- 地域部会について | 公益社団法人 非営利法人研究学会
地域部会について 非営利法人研究学会には、現在、東日本部会と西日本部会の二つの地域部会があります。それぞれの部会は地域に根差した活動を通じて、非営利法人に関する研究や情報交換を行っています。 将来的には、これらの部会が他の研究会と連携を深め、より広範な地域、内容での活動や共同研究に取り組んでいくことを目指しています。 <地域部会> 東日本部会長 鷹野宏行 運営委員 大原昌明 運営委員 尾上選哉 運営委員 川島和浩 幹 事 佐藤正隆 西日本部会長 吉田初恵 運営委員 伊佐 淳 運営委員 橋本俊也 運営委員 宮本幸平 幹 事 小口将典 幹 事 種村理太郎 ●(旧)関東部会の活動報告(クリック) ●(旧)関西部会の活動報告(クリック) ●(旧)九州部会の活動報告(クリック)
- 2022最終報告(公益・一般法人研究会) | 公益社団法人 非営利法人研究学会
非営利法人研究学会 公益・一般法人研究会 公益・一般法人制度の研究【2022年度最終報告】 公益・一般法人における税務問題の実務視点からの研究
- 2024最終報告(公益・一般法人研究会) | 公益社団法人 非営利法人研究学会
非営利法人研究学会 公益・一般法人法人研究会 最終報告 (2022年-2024年) 公益・⼀般法⼈等における寄付をめぐる多⾓的検討
- 第1回大会記 | 公益社団法人 非営利法人研究学会
1997.10.4 青山学院大学 統一論題 公益法人研究の現状と課題—公益法人研究の原点を巡って— 1 非営利セクターとしての公益法人の戦略行動 2 公益法人会計の問題点と改質向上への一考察 3 社会福祉法人会計の本質 公益法人研究学会(会長:守永誠治氏)の第1回大会は、1997年10月4日、青山学院大学青山キャンパスの11号館において開催された。 統一論題「公益法人研究の現状と課題─公益法人研究の原点を巡って─」のもと、興津裕康氏(近畿大学)の総合司会により二題の研究報告並びに討論が行われた。 また、自由論題の報告と記念講演も併せて行われた。 1 非営利セクターとしての公益法人の戦略行動 報告:吉田忠彦氏(近畿大学豊岡短期大学) 吉田氏は「非営利組織としての公益法人の戦略行動《と題し、公益法人を非営利セクターの中核として捉えた上で、その経営戦略を規定する要因と戦略の類型について報告された。すなわち、非営利組織は①自ら掲げる使命遂行を目的とするが、②一方では組織の存続・拡大の慣性も働き、マクロ的には③組織の生存領域及び規模は政府(主務官庁)の調整に大きく影響される、と分析。そうした環境に適応するために、非営利組織は事業構造の戦略、競争の戦略、協調戦略をとるべきだと強調した。ただ、それらの戦略は、サービスの受け手だけでなく、支払い手となる多様な関連他者からのフィードバック情報に基づいて策定されるため、吊声獲得や協調戦略が重視されなければならないと主張された。 2 公益法人会計の問題点と改質向上への一考察—アメリカ非営利法人会計基準との比較— 報告:若林茂信氏(東京経営短期大学) 若林氏は「公益法人会計の問題点と改質向上への一考察《と題して報告された。この中で氏は現在国際的に最高の水準にある、私的セクターに属する非営利法人を対象としたアメリカの会計基準の発展の軌跡から現状を展望、その顕著な特色として12項目を抽出。このうち、日本の公益法人(広義に想定)会計を改質向上させるために適切と思われる8項目を教訓として選定され、これを公益法人会計の問題点を考察する上での好個の研究資料として活用すべきであることを主張された。 3 社会福祉法人会計の本質—施設会計を中心として— 報告:松倉達夫氏(中部女子短期大学) 松倉氏は自由論題として「社会福祉法人会計の本質《をテーマに、特に施設会計を中心に報告された。現在社会福祉法人に適用されている経理規定準則は1976年に発表され、それ以前の会計指針に比して近代化し、改善されたが、なお実務上問題があることを、氏は次の事項を掲げて本質を追究し、問題点の理論的な指摘がなされた。①消費経済体、②受託者会計、③複式簿記の徹底、④発生主義会計、⑤経理責任の明確化、⑥管理組織の確立、⑦予算の重要性、⑧収支計算書と貸借対照表。 以上の報告のほか、統一論題を総括するパネルディスカッションが開かれ、松葉邦敏氏(成蹊大学)を座長として、報告者の吉田氏、若林氏に白井万佐夫氏(公認会計士)、永島公朗氏(産能短期大学)、朊部信男氏(産能短期大学)がパネラーとなり、大会参加者を交えて活発な討論が展開された。 また、今大会では武田昌輔氏(成蹊大学)が「公益法人課税の史的変遷と今日的課題」と題して記念講演をされ、大会に華をそえた。 この後、会場を青学会館に移して懇親会が催され、青山学院大学を代表して経営学部長の杉山学氏が挨拶、会田一雄氏(慶應義塾大学)による乾杯の発声があり、会員の親睦と学会の今後の発展を祈った。 第1回大会記
- 第12回学会賞・学術奨励賞 | 公益社団法人 非営利法人研究学会
学会賞・学術奨励賞の審査結果 第12回学会賞・学術奨励賞の審査結果に関する報告 平成25年9月21日 非営利法人研究学会 審査委員長:堀田和宏 非営利法人研究学会学会賞・学術奨励賞審査委員会は、第12回学会賞(平成24年度全国大会の報告に基づく論文及び刊行著書)、学術奨励賞(平成24年度全国大会における報告に基づく大学院生並びに若手研究者等の論文及び刊行著書)及び学術奨励賞特賞(平成24年度全国大会における報告に基づく実務者の論文及び刊行著書)の候補作を慎重に選考審議した結果、今次は学会賞、学術奨励賞特賞に該当する論文はなく、下記の論文を学術奨励賞に値するものと認め選定しましたので、ここに報告いたします。 1. 学会賞 該当作なし 2. 学術奨励賞 深山誠也「社会福祉法人の競争戦略と組織―高齢者介護組織を対象とする実証研究―」(平成24年度非営利法人研究学会全国大会自由論題報告、於:北星学園大学、『非営利法人研究学会誌』Vol.15所収) 【受賞理由】 【論文の概要及び授賞理由】 平成25年度「学術奨励賞」は、深山誠也氏の論文「社会福祉法人の競争戦略と組織―高齢者介護組織を対象とする実証研究―」が選考されました。なお、本論文は、本年8月に刊行されました『非営利法人研究学会誌』第15巻に収録されています。 本論文は、北海道において高齢者介護事業を展開している全部で394の社会福祉法人のうちの298法人から得られた質問票調査データにもとづいて、社会福祉法人の競争戦略と組織特性の相互関係を実証的に解明した研究です。 本論文の内容を簡単に紹介します。 Ⅰ 節において、本論文の目的が、社会福祉法人の環境-競争戦略-組織特性-組織成果間の相互関係の解明であることを述べています。具体的には、⑴社会福祉法人はいかなる競争戦略を採用しているのか、⑵競争戦略は固有の組織特性を備えているのか、⑶競争戦略と組織特性が適合的である場合、組織成果は高いのか、の3点を明らかにすることである。 Ⅱ節において、この分野の先行研究を検討し、それらの問題点を明らかにしています。 Ⅲ節において、競争戦略と組織特性の相互関係を実証的に解明するための準備として、まず検証されるべき3つの仮説を提示するとともに、これら3つの仮説間の関係を示す理論的枠組を明らかにしています。さらに、仮説を構成する概念の測定方法を定義しています。 Ⅳ節において、①調査対象と②調査方法が示されています。 Ⅴ節において、調査結果の詳細な定量的分析が試みられています。 最後のⅥ節において、本研究の意義と今後の課題が明らかにされています。 本研究の第1に評価すべき点は、従来、経営学ではほとんど注目されてこなかった社会福祉法人を分析対象として取りあげていることです。高齢者介護の進展や介護保険制度の導入等によって、高齢者介護事業を展開している社会福祉法人の効果的・効率的経営は、益々求められています。したがって、社会福祉法人の経営の実態の解明は、極めて重要な課題であるといえます。 第2に評価すべき点は、第1の点とも関連しますが、高齢者介護事業を展開している社会福祉法人の経営全体の包括的な分析を試みていることです。この分野の数少ない先行研究は、もっぱら介護老人福祉施設の運営を分析するものがほとんどであり、その分析項目は、施設長のリーダーシップ等に限定されていました。 第3に評価すべき点は、この社会福祉法人の経営全体の包括的な実証分析の結果、次の4点を明らかにしていることです。⑴社会福祉法人においては、有効な3つの競争戦略(コスト志向戦略、差別化志向戦略、差別化・コスト併用戦略)が存在する。⑵環境不確実性の認知が異なる場合、採用される競争戦略が異なる。⑶競争戦略が異なる場合、採用される組織特性は異なる。⑷競争戦略 が異なる場合、有効な組織特性の組み合わせは異なる。 しかし、本論文にも問題点がない訳ではありません。これら環境-競争戦略-組織特性-組織成果間の相互関係が、「なぜ」「どのよう」にして形成されたのか、すなわち、競争戦略と組織特性の形成プロセスについては、本論文では必ずしも解明されていません。この点で、本研究は静態的な分析に止まっています。研究が静態的分析に止まっている点に関しては、筆者も認識しており、今後の研究課題として、競争戦略と組織特性の動態的分析の必要性があげられています。 以上のように、本論文は、高齢者介護事業を展開している社会福祉法人の経営の実態を組織論の研究方法にもとづいて解明した非常に手堅い研究成果であるといえます。 したがって、審査委員会は、全員一致で、本論文が「学術奨励賞」を受賞するに値するものと決定いたしました。 3. 学術奨励賞特賞 該当作なし
- 情報公開 | 公益社団法人 非営利法人研究学会
定款・役員名簿(法人概要を参照) 第九期(2022年8月1日~2023年7月31日) 貸借対照表 第八期(2021年8月1日~2022年7月31日) 貸借対照表 第七期(2020年8月1日~2021年7月31日) 貸借対照表 第六期(2019年8月1日~2020年7月31日) 貸借対照表 第五期(2018年8月1日~2019年7月31日) 貸借対照表 第四期(2017円11月1日~2018 年7月31日 )※公益認定後 貸借対照表 第三期(2017年8月1日~2017年10月31日)※公益認定前 貸借対照表 第二期(2016年8月1日~2017年7月31日 ) 貸借対照表 第一期(2016年1月7日~2016年7月31日 ) 貸借対照表 情報公開
- 第6回大会記 | 公益社団法人 非営利法人研究学会
第6回大会記 2002.7.26-27 京都大学 統一論題 非営利組織の業績評価とアカウンタビリティ 近畿大学 吉田忠彦 公益法人研究学会第6回全国大会は、2002年7月26日(金)の理事会に続いて、7月 27日(土)に「非営利組織の業績評価とアカウンタビリティ」を統一論題とし、京都大学で開催された。 午前中は9つの自由論題報告が、3つの会場に別れて行われた。第一会場では、柴 健次氏(関西大学)の司会で、江頭幸代氏(九州産業大学大学院)、川野祐二氏(財・助成財団センター)、伊藤 務氏(財・平安建都千二百年記念協会)、第二会場では、松本敏 史氏(同志社大学)の司会で、用丸るみ子氏(鹿児島国際大学大学院)、橋本敏也氏(税理士)、立岡 浩氏(花園大学)、第三会場では、吉田忠彦(近畿大学)の司会で、今枝 千樹氏(京都大学大学院)、兵頭和花子氏(神戸大学大学院)、若林茂信氏(公認会計士)の報告が行われた。午前9時30分スタートの第一報告から、立ち見が出る会場もあり、討論とも大変な盛り上がりを見せた。 その後会場を大会議室に移し、吉田 寛氏(神戸商科大学)の司会によって研究部会報 告が行われ、東日本部会が「わが国の公益法人会計に関する研究」(座長・松葉邦敏氏)を、西日本部会が「非営利組織におけるマネジメントの多角的検討」(座長・堀田和宏氏) を報告した。 午後からは会員総会が行われ、学術研究団体登録申請の経過報告もなされた。さらに、 第1回学会賞および学術奨励賞の発表もあった。学会賞は堀田和宏氏(近畿大学)、学術奨励賞は梅津亮子氏(九州産業大学大学院)がそれぞれ受賞された。 統一論題の概要 統一論題は会田一雄氏(慶應義塾大学)が司会をつとめられ、古庄 修氏(亜細亜大学 短期大学部)、江田 寛氏(公認会計士)、瓦田太賀四氏(神戸商科大学)の三氏の報告の後、討論という形で進められた。 古庄 修氏(亜細亜大学 短期大学部)の報告「非営利組織のアカウンタビリティとディスクロージャー−英国チャ リティの検討を中心として−」では、イギリスにおけるチャリティ制度とその会計について概略が説明された後、チャリティの実務勧告書(SORP)の設定経緯、米国会計基準と比較した財務報告の特徴が説明され、チャリティを対象にしたアニュアル・リポート表彰制度などの動向から、記述方法が利益尺度を持たないチャリティでは財務情報の補完以上の役割を有するといった示唆がなされた。 続いて江田 寛氏(公認会計士)の報告「民法法人の収支予算制度と業績評価」は日本の公益法人を中心にしたもの。昭和61年の『公益法人の運営に関する指導監督基準』(指導監督基準)では、事業計画と収支予算による事前審査と、事業結果及び収支計算の結果との比較によって事業執行の妥当性を検証するという業績評価が主務官庁によってなされ るというものであったのに対し、1996年の新指導監督基準においては、法人情報、事業情 報及び会計情報を一般の閲覧に供することとされ、主務官庁ばかりでなく、不特定多数の国民を意識した運営管理と業績評価のあり方が必要になったと指摘する。事業計画および 収支予算を中心とする管理や業績評価は、自発的な事業を趣旨とするタイプの非営利組織には適さないものである。また、業績評価にはサービスの内容、提供された資源の使い方、 運営方法、財務的生存力などの視点が必要であると主張された。 最後の瓦田太賀四氏(神戸商科大学)の報告「非営利組織のリスクとアカウンタビリテ ィ」では、アカウンタビリティが資金提供者のリスクという視点から検討され、サービスの代価を支払う事業型であれば、モニター可能であるために合理的行動がとれるため、リ スクはせいぜい一時的であること。サービス代価が支払われない福祉型では、支払手は事 業の社会的意義から資金を拠出し、配当や残余財産の分配などを求めないため、そもそも リスクという考え方が当てはまらないことが指摘された。そこから、そうしたリスクに対して「説明義務」を果たす、すなわちアカウンタビリティ解除を達成するという視点では なく、与えられた役割に対して積極的に説明の可能性を開く「説明可能性」という視点でアカウンタビリティを捉える必要があると主張された。 3氏の報告の後、フロアから寄せられた質問紙に応答しながら討論に入った。公益目的 の事業を担う組織の多様化に伴って、業績評価とアカウンタビリティの問題は、より複雑性を増しているが、他方で現実の社会や政策が、少子高齢化や行財政改革の流れを背景に、 民間非営利セクターへの依存の度合いを高めている。こうしたタイミングであるだけに、非常に活発な討論となった。質問およびコメントは、興津裕康氏(近畿大学)、大矢知浩司氏(九州産業大学)、岡村勝義氏(神奈川大学)、柴 健次氏(関西大学)、村井秀樹氏(日本大学)、陳 氏(神戸商科大学)、早坂 毅氏(税理士)、橋本俊也氏(税理士)、大峠理沙氏(神戸商科大学大学院)の諸氏から寄せられた。 その後、場所を同大学の生協中央食堂に移し、懇親会が催された。今回創設された学会 賞・学会奨励賞の受賞者のスピーチも交え、終始なごやかなうちに会員の親睦がはかられた。
- 入会のご案内 | 公益社団法人 非営利法人研究学会
入会のご案内 ■会員区分と年会費 正会員(個人会員) 10,000 円 学生会員※1 5,000 円 賛助会員(個人・法人・団体) 30,000 円 名誉会員 8,000円 シニア会員※2 5,000円 ※令和元年9月15日の理事会で会費金額が変更となりました。詳しくは「会費等に関する規則」 をご覧ください。 ※1 学生会員は会費を納付する毎に在学証明書を提出いただきます。 ※2 正会員は、本学会に正会員として10 年以上在籍し、本人の年齢が70 歳に達した場合、事務局に届け出ることによりシニア会員になることができます。 ■会員特典 ・学会誌その他の資料送付 ・各研究会・全国大会への参加・発表 ・学会ML(メーリングリスト)への登録 ・学会誌への投稿(査読付) ・ワーキングペーパーへの投稿 ■お申込み方法 入会のお申込みはWEBフォーム(クリック) からご入力いただくか、申込書(Word文書・クリック) をダウンロードし、必要事項をご記入のうえ、弊会事務局までFAX(宛先:03-6631-4285)もしくはEメール(宛先:office@npobp.or.jp )にてご送付下さい。 入会申込みフォーム(クリック)
- 第4回学会賞・学術奨励賞 | 公益社団法人 非営利法人研究学会
学会賞・学術奨励賞の審査結果 第4回学会賞・学術奨励賞の審査結果に関する報告 平成17年9月10日 非営利法人研究学会 審査委員長:松葉邦敏 公益法人研究学会学会賞・学術奨励賞審査委員会は、第4回学会賞(平成16年度全国大会の報告に基づく論文及び刊行著書)及び学術奨励賞(平成16年度全国大会の報告に基づく大学院生並びに若手研究者等の論文)の候補作を慎重に審議した結果、今次は学会賞に該当する論文又は刊行著書はなく、下記の論文を学術奨励賞に値するものと認め選定しましたので、ここに報告いたします。 1. 学会賞 該当作なし 2. 学術奨励賞 吉田初恵(関西福祉科学大学助教授)「介護保険制度改革に向けての論点—介護サービスの特質と介護サービス市場からの一考察—」(平成16年度公益法人研究学会全国大会自由論題報告、於・九州産業大学、『非営利法人研究学会誌』VOL.7所収) 【受賞作の特徴と受賞理由】 論者の一貫した研究対象は「公的介護保険制度」の創設前後から、この制度の基本的かつ実践的な問題点を指摘して、そのあるべき、かつ具体的な改善策を提言することであった。今回の受賞対象となった本論文は、後に付言するように、このための一連のスペキュトラム(spectrum)の1つである。 本論文に限れば、その内容はおよそ次のとおりである。 今日の介護保険制度の見直し論は、介護サービスの利用量が膨張することによる財源の破綻をどのようにするかを中心に議論されている。すなわち、予防給付を盛り込むなどの施策による介護給付額の抑制と、施設サービスに対するホテルコストの徴収などの施策による保険料収入の増加を図る見直しである。しかしながら、この介護保険制度の見直しは、負担を増やし給付を抑制する施策による財政の均衡だけで終るべきではない。したがって、本論文はまず、現在検討中の「改革案」の方向と内容は、年金改革と同じような「負担増の中での給付削減」にすぎない。この「改革案」のままであれば、サービス受給者の福祉ではなくて、行政主導の改悪の方向であるとする。 次に、介護サービスの基本的な特質は、サービスの不確実性とサービスの質の測定不能性にある。したがって、たとえ組織の効率性が劣っているとしても、従来は政府関連機関や非営利組織が市場優位を占めざるを得なかった。このような営利企業が参入しない特殊な市場(契約の失敗)において、「公的介護保険制度」が制度化され、併せて営利企業に相当程度の自由参入を認める「規制緩和政策」が採られたために、営利企業の参入が認められた結果「供給者誘発需要」を惹き起し、このことが給付額増大の元凶である可能性があるとする。そこで、むしろ介護サービスの特性を踏まえて、(主としてサービス受給者に不利となる)特性を克服する「制度の改革」こそを検討すべきであると論じている。 最後に、したがって、介護保険制度の見直しは「負担増の給付削減」の弥縫策に求めるのではなくて、問題の根源にある「供給者誘発需要」の抑制策として監督・規制の強化を検討すべきであると主張する。 以上の諸点から、論者は具体的な総合政策として、次のように提言している。 1.給付については、改革の方向は、(イ)量より質を評価し、質の保全を保証する給付体系を構築すること、(ロ)質の確保を遵守する「事業者」を事前に選別する制度を作ること、(ハ)施設やサービスの選択は利用者の介護サービスに求める質量のレベル、所得格差、家庭の状況等極めて多様であるので、利用者の裁量を多く認めるように規制を緩和することである。 2.負担については、改革の方向は、(イ)世代間の公平性を高めること、(ロ)低所得者や障害者の救済施策を国のレベルで行うことである。 要するに、規制緩和による自由選択制度の原則論を是正して、むしろ規制・指導・監督を強化する部分と利用者の選択に委ねる部分を区別して適用し、経営形態の特徴を生かした公的・準公的機関、非営利組織、営利企業の間の「棲み分け」を積極的に導入する方向と内容に改めることを主張しているのである。 以上から、本論文は問題の視角、問題の分析、問題の解決について的確かつ斬新であり、それぞれの間の整合性が認められるので、高く評価することができる。論者は既に内外の一定の評価を受けているものであるが、さらに向後の研鑽を期待して学術奨励賞を授与するに適当である、とする審査委員会の一致した見解を得た。 最後に付言すべきことは、ここに至るまでの諸論考には見るべきものがあり、特に『非営利法人』誌上で3回にわたり連載された長論文「介護サービスを供給する経営諸形態の共存—営利企業と非営利組織の棲み分けについて—」(No.710〜712、全国公益法人協会)が評価されることである。論者は、保険制度の導入に伴う規制緩和政策が従来の公的・準公的な機関による事業経営から民間事業の参入を奨励するシステムが定着したが、介護サービスという特殊なサービス事業において、果して社会的に有効に機能するのかどうかに焦点を当ててきた。公的・準公的(いわゆる非営利)セクターそして私的セクターの三者が共存できるかどうか、共存するとすれば、それはどのような共存のあり方なのかである。少なくともわが国ではこの種の研究は初めての試みであって、既に高い評価を得ている。このような一連の諸論考を含めて、今回全体として評価を行ったことを附記しておく。何故なら、特に学術奨励賞においては、問題意識が明確であり、その中で研究活動が連続体をなしていることにおいて業績が評価されるものと考えられるからである。
- 資料室 | 公益社団法人 非営利法人研究学会
資料名:日本学術会議ニューズレター 資料公表日:2015年4月30日 公表機関:日本学術会議 リンク 資料室 研究の「原液」となるのは、さまざまな「資料」です。また、研究の成果は新しい「資料」となって結実し、それがさらには次なる研究の「原液」となります。ここでは、非営利法人研究に欠かせない各種資料へとご案内します。 ■各種資料一覧 資料名:ワーキングペーパー2025-第1号(No.2)高等教育機関(大学)特別委員会 中間間報告におけるRQ の解説 資料公表日:2025年3月 公表機関:非営利法人研究学会 高等教育機関(大学)特別委員会 公開中 資料名:公益・一般法人研究会2024年度最終報告 資料公表日:2024年10月 公表機関:非営利法人研究学会 公益・一般法人研究会 公開中 資料名:NPO法人研究会2023年度最終報告 資料公表日:2024年5月 公表機関:非営利法人研究学会 NPO法人研究会 公開中 資料名:ワーキングペーパー2023-001 ソーシャル・サービスの「連携推進法人」を巡る現状分析と課題整理 資料公表日:2023年9月28日 公表機関:非営利法人研究学会 ワーキンググループ(座長:國見真理子氏) 公開中 資料名:公益・一般法人研究会2022年度最終報告 資料公表日:2022年10月1日 公表機関:非営利法人研究学会 公益・一般法人研究会 公開中 資料名:公益・一般法人研究会2017年度最終報告 資料公表日:2018年9月9日 公表機関:非営利法人研究学会 公益・一般法人研究会 公開中 資料名:大学等学校法人研究会2018年度経過報告 資料公表日:2018年9月9日 公表機関:非営利法人研究学会 大学等学校法人研究会 公開中 資料名:公益法人会計研究委員会 最終報告『非営利組織会計の研究』 資料公表日:2017年9月5日 公表機関:全国公益法人協会 ※この報告は全国公益法人協会からの委託研究によって得られた研究成果です。 詳細はこちら 資料名:新公益法人制度普及啓発委員会 最終報告書 資料公表日:2017年9月5日 公表機関:全国公益法人協会 ※この報告は全国公益法人協会からの委託研究によって得られた研究成果です。 詳細はこちら 資料名:公益・一般法人研究会2016年度中間報告 資料公表日:2017年9月5日 公開期限:2018年3月31日 公表機関:非営利法人研究学会 公益・一般法人研究会 公開終了 資料名:出口正之「公益法人制度改革を総括する―移行期間終了を目前に控えて―」(発表資料) 資料公表日:2013年9月21日 公表機関:非営利法人研究学 会 資料名:大内俊身 「非営利法人制度の現状と課題」(レジュメ) 資料公表日:2010年9月25日 公表機関:非営利法人研究学会
- 発行物への投稿 | 公益社団法人 非営利法人研究学会
学会誌への投稿 『非営利法人研究学会誌』は年に一度、8月上旬の発行となっております。投稿の締切は前年の12月中旬となっておりますので、投稿を希望される方はお早めにお申込み下さい。 学会賞及び学術奨励賞等に関する規程 投稿論文執筆に関する申合せ 原稿執筆要領 ワーキングペーパーへの投稿 本学会では、非営利分野の発展に寄与することを目的として『ワーキングペーパー』を発行しています。投稿は随時受付を行っています。 ワーキングペーパー投稿規程
- 第11回学会賞・学術奨励賞 | 公益社団法人 非営利法人研究学会
学会賞・学術奨励賞の審査結果 第11回学会賞・学術奨励賞の審査結果に関する報告 平成24年8月25日 非営利法人研究学会 審査委員長:堀田和宏 非営利法人研究学会学会賞・学術奨励賞審査委員会は、第11回学会賞(平成23年度全国大会の報告に基づく論文及び刊行著書)、学術奨励賞(平成23年度全国大会における報告に基づく大学院生並びに若手研究者等の論文及び刊行著書)及び学術奨励賞特賞(平成23年度全国大会における報告 に基づく実務者の論文及び刊行著書)の候補作を慎重に選考審議した結果についてここに報告いたします。 1. 学会賞 該当作なし 2. 学術奨励賞 該当作なし 3. 学術奨励賞特賞 該当作なし
