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- 公益社団法人 非営利法人研究学会
学会からお知らせ・更新情報 ◆スタディ・グループ公募のお知らせ(26/3/2) 当学会のスタディ・グループ運営規程に基づきまして、スタディ・グループの公募をいたします。 【公募要領】 1.目的:添付の規程及び設立趣旨をご覧ください。 2.構成員: 3名以上の会員。なお、研究課題の性質等を 考慮して、常任理事会の承認を得ることで会員以外の方を 研究協力者とすることができます。 3.活動期間:原則2年 4.活動費:15万円 5.申請方法: スタディグループ設立申請書に必要事項をご入力後、 会長宛(送付先 事務局:office※npobp.or.jp)にご提出ください。 6.申請締め切り:令和8年4月末日まで 7.申請書の審査から発足までの流れ: 令和8年5月 常任理事会審査 令和8年6月 理事会審議 令和8年9月 正式発足 ◆全国大会ご参加の御礼(25/10/13) 第29回全国大会が熊本学園大学で開催され、盛況裡に閉会いたしました。ご参加された皆様、準備委員の先生方、誠に有難うございました。 ◆新役員(25/10/12) 10/11(土)定時社員総会で理事が選任され、その後の理事会で会長、副会長、常任理事が決定いたしました。確認はコチラ(クリック) ◆2025年度 全国大会の参加申込期日延長のお知らせ(25/9/22) 熊本学園大学で開催される全国大会の参加申込期日が、 9月22日(月)→9月28日(日)に変更となりました。 ◆2025年度 全国大会のプログラム公開(25/8/20) 10月11日(土)・12日(日)に熊本学園大学で開催される全国大会のプログラムが準備委員会から公開され、参加申込を開始しました。 詳細 ⇒ 大会詳細ページをクリック ◆2025年度全国大会・自由論題募集のご案内 本年度の大会主催校(熊本学園大学)より自由論題報告募集のお知らせがあります。 募集の詳細はこちら(クリック) をご覧ください。 ★自由論題申込書はこちら(クリック)★ 【第29回全国大会】 日程:2025年10月11日(土)・12日(日) 統一論題テーマ:調整中 プログラム:調整中 会場:熊本学園大学 準備委員長:日野修造(熊本学園大学) ※テーマ・プログラムは決定後にお知らせいたします。 ◆高等教育機関(大学)特別委員会ワーキングペーパー、公開のお知らせ(25/3/24) 高等教育機関(大学)特別委員会(委員長:柴健次氏)からワーキングペーパが公表されました。内容はコチラ(クリック) からご覧いただけます。 ◆公益・一般法人研究会最終報告書、公開のお知らせ(24/11/1) 明治大学での全国大会で最終報告を行った公益・一般法人研究会の最終報告書を公開しました。コチラ(クリック) からご覧いただけます。 地域部会についてのお知らせ ◆西日本部会開催のお知らせ◆(26/3/3) 1.開催日 2026年3月21日(土) 2.開催場所 九州産業大学 1号館10階中会議室 〒813-0004 福岡県福岡市東区松香台2丁目3−1 アクセスマップURL https://www.kyusan-u.ac.jp/guide/summary/access.html 3.開催方式 対面 ※Zoom等によるリモート開催はございません。 4.研究会 14:00~16:00 開会行事・準備 14:00~14:10 第1報告 14:10~15:00(報告30分 質疑応答20分) 報告者 日野修造氏(熊本学園大学) タイトル 「公益法人会計基準改訂における制度設計と合理性の検討 - 寄付促進の視点から -」(仮題) 第2報告 15:10~16:00(報告30分 質疑応答20分) 報告者 吉永光利氏(九州共立大学) タイトル 「自治体外郭団体における制度適応から主体的関与への転換 - 制度変動期における実践分析 -」 懇親会 17:00~ 博多駅周辺で実施の予定 5.参加申込方法 レジュメ・懇親会会場の準備の都合上、ご出席いただける場合には、 研究会への出席、懇親会への出席、それぞれにつきまして 3/12(木)までに、次のメールアドレスに ご連絡いただきますようお願い申し上げます。 (西⽇本部会代表メールアドレス) nishi-nihon※npobp.info ※⇒@に変更しお送りください。 ◆東日本部会開催中止のお知らせ◆(26/2/24) 3/21(土)に予定しておりました東日本部会は開催中止となりましたのでお知らせいたします。 ◆東日本部会の報告者募集のお知らせ◆(26/2/4) 開催日時:2026年3月21日(土)14時から 会場:九州産業大学(福岡市東区松香台2-3-1) 《報告者の募集方法》 メールの件名を「西日本部会の報告希望」とし、下記の連絡先あてに お名前とともに「ご所属」および「論題」をお知らせ下さい。 報告時間はおよそ30分でお願いいたします。 なお、ご報告希望の受付の締切日は 「2026年2月28日(土)」とさせて頂きます。 連絡先 nishi-nihon※npobp.info (返信時は※を@に変更してください) ◆東日本部会の報告者募集のお知らせ◆(26/1/30) 開催日時:2026年3月7日(土)14時から 会場:日本大学経済学部(東京・水道橋) 《報告者の募集方法》 メールの件名を「東日本部会の報告希望」とし、下記の連絡先あてに お名前とともに「ご所属」および「論題」をお知らせ下さい。 報告時間はおよそ30分でお願いいたします。 なお、ご報告希望の受付の締切日は 「2026年2月20日(金)」とさせて頂きます。 連絡先 higashi-nihon※npobp.info (返信時は※を@に変更してください) ◆西日本部会開催のお知らせ◆(25/11/20) 日 時: 2025年11月29日(土) 11:00ー12:30 場 所: オンライン(Zoom) 表 題: NPO支援組織の新展開: 京都におけるふるさと応援協働推進スキーム 報 告: 平尾剛之(きょうとNPOセンター統括) +解説:吉田忠彦(近畿大学) 内 容: 非営利法人の中でもとりわけ市民活動団体においては財源確保が大きな課題となっている。ところが、この課題に対してNPO支援組織もなかなか有効な方法を見出せなかった。その中で公益財団法人による市民ファンドはひとつのブレイクスルーとなり、京都地域創造基金を嚆矢として全国的に普及しはじめている。今回、さらに京都府ときょうとNPOセンターとの協働によって、ふるさと納税の仕組みを使った市民活動支援の仕組みが開発され、運用が開始された。NPO支援組織の新たな展開として注目される。この仕組みの開発に携わった平尾氏からその事業の内容、計画から実装にいたるまでの経緯などについて報告してもらう。 参加費: 無料 参加申し込み: 以下よりお申込みください。どなたでもご参加いただけます。 https://forms.gle/VA2yY9DZV4BdKcn87 ◆2025年度第三回東日本部会開催のお知らせ◆(25/11/19) 1. 日時:2025 年12 月13 日(土)14:00~18:30 2. 会場:弘前大学 文京地区キャンパス 人文社会科学部4 階多目的ホール (青森県弘前市文京町一番地) 3. 交通アクセス(クリック) 4. プログラム 13:30~ 受付(会場4 階 多目的ホールにて) 14:00 開会の挨拶(開催校および部会長) 14:05~ 実務との交流(報告30 分、質疑等30 分) 「青森県りんご協会における事業活動と公益法人化に伴う実務的課題」 講演者 中野真太郎氏(公益財団法人青森県りんご協会技師) コーディネーター 内藤周子氏(弘前大学) 15:05~ 研究報告(報告30 分、質疑等25 分) 司会:尾上選哉 氏(日本大学) (1)櫛部幸子氏(大阪学院大学) 「新公益法人会計基準の表示の検討(仮)」 (2)富田亜紀氏(東洋大学) 「新しい資本主義におけるNPO 法人の役割についての一考察」 (3)境裕治氏(第一勧業信用組合)、吉原清嗣氏(㈱データルーペ)、吉川晃史氏(関西学院大学)他 「協同組織金融機関の顧客支援力の数値化~事例研究:第一勧業信用組合の取り組み(株式会社データルーペとの共同研究)~」 18:30 頃~ 懇親会(弘前駅周辺の会場等の詳細は、当日ご案内いたします。) 5.参加申込方法 レジュメ・懇親会会場の準備の都合上、ご出席いただける場合には、 研究会への出席、懇親会への出席、それぞれにつきまして 12⽉2⽇(火)までに、次のメールアドレスにご連絡いただきますようお願い申し上げます。 参加申込先 higashi-nihon※npobp.info(東日本部会運営委員会) 返信時は※を@に変更してください 案内PDF(クリック) ◆2025年度第三回東日本部会の報告者募集のお知らせ◆(25/10/17) 開催日時:2025年12月13日(土)14:00~ 会場:弘前大学(対面式)青森県弘前市内 キャンパス、教室等の詳細は改めてご連絡します。 懇親会は、近隣の施設にて予定しております。こちらも改めてお知らせします。 《報告者の募集方法》 メールの件名を「東日本部会の報告希望」とし、下記の連絡先あてに お名前とともに「ご所属」および「論題」をお知らせ下さい。 報告時間はおよそ30分でお願いいたします。 なお、ご報告希望の受付の締切日は 「2025年11月16日(日)」とさせて頂きます。 連絡先 higashi-nihon※npobp.info (返信時は※を@に変更してください)
- 第5回大会記 | 公益社団法人 非営利法人研究学会
第5回大会記 2001.10.5-6 中央 大学 統一論題 公益法人の社会的機能と責任 国士舘大学大学院 依田俊伸 2001年10月6日、午前9時50分から第5回公益法人研究学会全国大会が中央大学市ヶ谷キャンパスにおいて開催された。約100名の参加者を得て、活発な報告と討論が展開された。ちなみに本大会は、日本公認会計士協会によるCPE研修指定を受けた。 現在の大きな社会経済の構造改革の中にあって、公益法人に対しても、社会的責任を忘れたり効率を軽視しているものが少なくないとして改革が求められているという状況に鑑み、本大会の統一論題は、「公益法人の社会的機能と責任」と定められた。 自由論題報告は、3会場で行われた。第1会場〔司会:小宮 徹氏(公認会計士)〕では千葉正展氏(社会福祉・医療事業団)「介護利用型軽費老人ホーム等の経営診断指標について」、若林茂信氏(公認会計士)「公益法人会計基準の見直しに関する中間報告の問題点の検討」、第2会場〔司会:松倉達夫氏(ルーテル学院大学)〕では、吉田初恵氏(関西福祉科学大学)「介護保険の負担と給付について—自治体間格差の実証研究—」、立岡 浩氏(花園大学)「NPOとしての社会福祉法人の戦略・統治・リーダーシップ」、第3会場〔司会:佐藤俊夫氏(国士舘大学)〕では、梅津亮子氏(九州産業大学大学院)「病院看護サービスの原価測定—九州中規模病院のケーススタディを中心として—」、岡村勝義氏(神奈川大学)「公益法人情報開示の新展開—第三セクターに関連して—」の計6題の報告が行われ、それぞれ熱心な質疑応答が交わされた。 研究部会中間報告は、2会場で行われた。第1会場では、戸田博之氏(神戸学院大学)の司会のもと、西日本部会報告「非営利組織におけるマネジメントの多角的検討」の報告がなされた。第2会場では、杉山 学氏(青山学院大学)の司会のもと、東日本部会報告「わが国の公益法人会計に関する研究—社会福祉法人会計の現状と問題点—」の報告が行われた。 午後に入り、会員総会の後、興津裕康氏(近畿大学)の司会のもと、4氏による統一論題報告が行われた。報告者名、論題及びその要旨は次のとおりである。 論題1:公益法人の社会的役割と情報公開—会計情報を中心として— 亀岡保夫氏(公認会計士) 公益法人は、その活動を通じて社会福祉、学術、芸術等の分野における一定の社会的必要性を充足するという「社会的機能」を営んでいるものであり、その活動が、主として民間私人の創意工夫に基づき、かつ、社会の発展に絶えず寄与しているという点において存在意義を有している。 公益法人の本来の役割は、「不特定多数の者の利益」の実現にあるが、特に生命や生活という人間の根源的な営みに関する「不特定多数の者の利益」の実現への公益性の追求において公益法人は中核的な役割を果たしている。 そもそも公益法人(民法第34条に基づいて設立される法人)については、既に「公益法人の設立許可及び指導監督基準」により、特定の情報の公開が定められ、一定程度の公開が達成されている。しかし、今日の市場重視型の経済システムにおいては、財源の効率的、経済的利用が重要となり、それを判断する市場(国民、市民)に対してさらに一層の情報が提供されなければならない。公益法人がその事業の内容や活動の成果について、対外的に情報公開を行うことにより社会的に高い評価を得ていくことが、法人の事業の発展・存続のために必要である。情報公開において中心となるのは財務に関する情報である。さらに、公開される情報の信頼性を担保するために公認会計士等の監査が大変有効かつ効果的である。 以上を踏まえ、公益法人は、指導監督基準で定められているからではなく、自ら積極的に情報公開していくことが大切であり、また、監査についても、要請されるのではなく、自ら積極的に外部監査を導入していくことが望まれる。 論題2:公益法人への社会の期待—社会的機能と責任— 会田一雄氏(慶應義塾大学) 現在のわが国のように、ある程度社会が成熟し、しかも行財政改革を進めるに当たり、パブリックセクターのウエイトを軽減しなければならない環境下では、公益法人制度のあり方についてはもはや行政に委ねるのではなく、社会全体で議論すべき時期を迎えている。 公益法人の社会的機能を論じるに当たっては、まず組織の本質を解明しておく必要があり、本報告では、公益性と非営利性の意義を再確認し、社会が公益法人全体に対して何を求めているかを論じる。公益性とは、不特定多数の者の利益の実現であるが、これは法人の事業内容そのものの性格を表している。この点で、株式会社はその目的が富の最大化であるため、公益的な活動を行っていても公益性を云々されることはないが、反公益的活動を行う場合には指弾され排除される。非営利性とは、利益の獲得を目的とせず、利益を分配しないということである。したがって、非営利性においては支出の内容が十分に吟味されなければならず、特に、当該支出が資産か経費に該当するかという資産性の検討が重要となる。費用に該当する場合には、その適正性が要求される。 次に、法人が社会から付託された機能を果たすために、いかに社会との関係性を築き、また社会との接点を見出していくのかについてのアプローチを探る。公益法人が社会の期待に応える方法として、他の法人に対して税の支援措置や補助金といった優位性を持つとするとその優位性をどのように付与するかが問題になる。これには、アメリカ型とイギリス型があるが、どのような場合であれ、社会が期待するのは、民間主体であり、行政から独立した公益法人の存在である。公益法人が社会の期待に応えるためには、アカウンタビリティ(説明責任)を十分に果たす必要がある。そのためにはディスクロージャーが不可欠である。 ディスクロージャーの内容としては、組織目的・事業内容、財務内容が挙げられる。ディスクロージャーの方法にも様々なものが考えられるが、継続的かつタイムリーな情報公開が必要である。公益法人は社会全体により支えられると同時に社会の期待に応えるという責務を負っているのである。 論題3:公益法人・非営利組織の存在理由と活動環境 藤井秀樹氏(京都大学) 本報告は、財務会計論の立場から、非営利組織の存在理由とその活動環境について検討することを目的とするが、ここでいう「非営利組織」とは、公式に設立された組織であること、民間組織であること、利益分配をしないこと、組織内部で自主的に管理されていること、運営や管理にボランティアを含むこと、公共の利益に奉仕すること、という6つの特徴を備えた組織と定義する。 非営利組織の存在理由を大別すると、経済的機能に関わるものと、社会的価値に関わるものの2系統に分類できる。前者には市場の失敗、政府の失敗があり、後者には多元的価値と自由がある。そこで、上記2系統の存在理由の関係及び非営利組織に固有の存在理由は何かが問題となる。経済的機能に関わる存在理由は、非営利組織が経済社会において存在するための前提条件と言える。それに対して社会的価値に関わる存在理由こそ非営利組織に固有の存在理由である。というのは、社会的価値に関わる存在理由には上記の特徴が深く作用しているが、このうちのボランタリズムを不可欠の特徴とする組織は、非営利組織以外に見当たらないからである。 ここから、非営利組織における2つのパラドックス、すなわち「非市場性のパラドックス」(非営利組織は、その非市場的資源配分機能を市場経済の中で遂行せざるを得ない。)及び「非営利性のパラドックス」(非営利組織は、財務的基盤を自律的に確保しなければならない。)が発生する。ここにプロフェッショナリズムとボランタリズムとの両立が不可避の課題となる。 プロフェッショナリズムとボランタリズムとの両立を図るには、まずプロフェッショナリズムの向上が必要である。その環境整備のための方策として、会計学の観点から、資源調達制度の拡充とりわけ寄付の活性化と情報開示の強化を提案したい。この場合、会計は「修正された市場メカニズム」を期待どおりに機能させる情報システムとして活用されることになる。その意味で、非営利組織における会計の役割は今後ますます高まっていくものと思われる。 論題4:非営利事業の社会的機能と責任 堀田和宏氏(近畿大学) 非営利事業のあるべき経済社会的機能は、政府事業の限界の補完と営利企業の市場の失敗の補完にある。したがって、個別事業としての非営利事業は、政府機関とは異なる独自性・自立性ならびに効率性を発揮する経営と営利企業とは異なる有効性と信頼性に応える経営をするべき機能を持つ。 非営利事業の固有の責任とは、ミッションに信頼を寄せて集まる、それぞれのコンスティチューエンシー(寄付者・政府・購入者・ボランティア等)の信頼と期待に応えることである。そのためには、経営行動の意思決定の仕組みと事前計画・管理活動の過程(ガバナンス)に対する監視・評価方法と情報開示のあり方(アカウンタビリティ)を構築する必要がある。 しかし、非営利事業においては、営利企業が持つ基本的な責任メカニズムを持たないことから、モラルハザードの危険が大きい。そこで、委任を受けた寄付者/助成者への受託責任及びクライアント/利用者への社会公共的責任を遂行するためには、まずNPOガバナンスの再構築が必要である。 NPOガバナンスにおいては、寄付者・理事会と経営者の適正な役割分担という法的組織構造と現実の乖離の解決という問題及び外部との寄付/助成委託関係、内部の階層関係、非階層関係(ボランティア)にそれぞれガバナンスのあり方を再構築するためのガバナンスに参加させるネットワークの編成、監視・参加制度や社会勢力の監視活動の保証・促進という問題がある。ガバナンスにとって受託義務その他の義務履行責任と義務履行の説明責任はその基本的構成要素である。 最近のアカウンタビリティが求められる背景から、アカウンタビリティが多様化かつ複雑化している。さらにアカウンタビリティの内容が財務アカウンタビリティからプロセス監視・プログラム評価のアカウンタビリティへと拡大している。 以上から、単なる事後の説明責任ではなく、経営機関の行動と経営管理の監視(事前統制)、業績達成のモニタリング(経営管理プロセス・プログラムの監視・評価)、社会的責任の達成度を評価するメカニズムの構築、監視体制と社会的責任を問う具体的な制裁措置の構築、が必要とされる。 シンポジウムでは、大矢知浩司氏(九州産業大学)の司会のもと、上記4氏の報告を踏まえ、公益法人・非営利組織の固有の存在理由、公益法人におけるガバナンスのモラルハザード、ディスクロージャーの3つの観点から質疑応答が整理され、熱心な討論が行われた。質問者は以下のとおりである。 島田 恒氏(龍谷大学)、坂本倬志氏(神戸学院大学)、川崎貴嗣氏(公益情報サービス)、千葉正展氏(社会福祉・医療事業団)、吉田初恵氏(関西福祉科学大学)、吉田 寛氏(神戸商科大学)、杉山 学氏(青山学院大学)、永島公朗氏(公認会計士)、松葉邦敏氏(国士舘大学) シンポジウム終了後、6階2611号教室において懇親会が開催された。本学会会長守永誠治氏の挨拶があり、和やかな雰囲気のなか19時10分散会した。
- 学会誌の購入 | 公益社団法人 非営利法人研究学会
学会誌の購入 『非営利法人研究学会誌』のご注文は、右の注文書PDFをダウンロード。もしくは下の注文書画像をプリントして必要事項をご記入の上、弊会事務局(宛先:03-6631-4285)までFAXしてください。 学会誌購入
- 第11回大会記 | 公益社団法人 非営利法人研究学会
第11回大会記 2007.9..8-9 近畿 大学 統一論題 非営利組織研究の課題と展望 近畿大学教授 吉田忠彦 2007年9月7日、8日、9日の3日間にわたって非営利法人研究学会第11回大会が、近畿大学において開催された。大会準備委員長は興津裕康・近畿大学教授。 7日の第一日目は、理事会に充てられた。折からの台風によって、前日午後から東海道新幹線が不通になっていたが、当日の朝になってようやく運行が再開され、ダイヤの乱れから到着が遅れる理事もあったものの、無事予定どおり理事会が開催された。 8日の二日目には、まず会員総会が行われ、その後引き続いて統一論題の報告と討議が行われた。統一論題は、「非営利組織研究の課題と展望」。10年を経た当学会の新たな10年の初めの大会ということから、今後のこの分野の研究の課題と展望の検討をテーマとしたものである。そのため、会計、経営、税制、社会的企業といった分野の、それぞれを代表する研究者が登壇し、非営利組織研究についての多角的な報告と討議が行われた。その後には、懇親会が催された。 9日の三日目の午前中は、自由論題報告が4つのセッションに分かれて行われた。また、日本のNPOの状況を分析したもの、イギリスの地域における行政とNPOの協働に関するもの、政治に関わる分野を手掛けるものなど、研究領域が拡大している様子が現れていた。大学院生による報告や、グループによる研究報告、財団における実務経験に基づく報告など多彩な報告が行われた。午後の最初のプログラムは学会長スピーチで、大矢知浩司第三代会長による「学会の10年を振り返って」という演題のスピーチが行われた。 さらにその後、東日本研究部会報告「NPO、政府、企業間の戦略的協働」(主査:小島廣光・北海道大学大学院教授)と、特別研究部会報告「公益法人の財源獲得と制度改革—公益法人の財源(贈与・遺贈等)に関する多角的検討—」(主査:石崎忠司・中央大学教授)が行われ、その2つの研究部会報告をめぐる熱心な質疑応答を経て、午後4時に大会は盛会のうちに幕を閉じた。 【統一論題報告の概要と討論】 統一論題は、当学会の事務局として長年学会を支えてきた川崎貴嗣氏を司会として、それぞれ研究分野の異なる4人が登壇した。 最初に登壇したのは、立命館大学の川口清史教授。立命館総長としての校務のため、予定を繰り上げての報告と質疑応答となった。「社会的企業概念の意義と射程」というテーマで、欧米における社会的企業の台頭やその経済的・社会的意義が論じられた。そこから、日本における非営利組織の発展は、当初のボランティア性の重視から、むしろ社会性を持った事業活動へとその重点を移しており、必ずしも非分配制約をコアとはしない組織の概念化が必要であると主張。こうした新たな視点の提示に、フロアからの質問・コメントが相次いだ。 その後、短い休憩を挟んで残りの3人が続けて報告、それに対するフロアからの質問票を回収し、それへの回答を中心にした討論という形で進行された。 まず、「非営利組織経営学の課題と可能性」のテーマで報告した島田恒・京都文教大学教授は、組織のあるべきビジョンを描くという哲学に立つ経営学は、テイラー、バーナード、ドラッカーと引き継がれ、産業社会の限界が露呈する中で非営利組織経営学の拡充へと繋がっていったと指摘。そして、非営利組織にとって根源的使命であるミッションは公益に繋がるものでなければならず、そのためには社会や人間の根源的存在論や公益論を探求する哲学が広く議論されることが重要であると主張した。 「非営利組織のミッションと外部財務報告の課題」のテーマで報告した藤井秀樹・京都大学大学院教授は、非営利組織における会計の役割は、成果指向型マネジメントの支援にあるという立場から、非営利組織における外部財務報告の現状と課題について論じた。売上高、利益、投資利益率などでは測定できない非営利組織の業績評価には、サービス提供の努力および成果についての情報が最も有用な情報になるにもかかわらず、FASBにおいては、そうした情報の提供は将来の課題として先送りされていると指摘。また、日本の新公益法人会計基準でも同じ課題を抱えているという。しかし、非営利組織の活動の特質と多様性を鑑みた場合、会計基準に依拠した画一的実務は適さず、結局それは個々の非営利組織の自主性と創造性に依拠した試行に委ねられる。それだけに個々の非営利組織にとっては、成果指向型マネジメントの実践を通じて顧客の支持を広げ、サービス提供能力を強化していくうえで、サービス提供の努力と成果に関する報告の整備拡充は欠くことのできない課題となると主張した。 最後の成道秀雄・成蹊大学教授は、「新公益法人税制への要望」というテーマで、この度の公益法人制度の改革について、主に税制の視点からその意義と課題について論じた。新しい制度の下での公益認定基準と租税原理・原則との摺合せが検討され、公益認定基準をおおよそ税法の課税・非課税基準として用いることの妥当性、さらに税法において別の非課税基準が必要とされる点が指摘された。また、公益認定されない一般社団法人・一般財団法人においても、依然として持分を有していないため、営利法人と同様に原則課税としてよいのか、課税の公平性から検討を要すると指摘した。 3者の報告のいずれもが、大会参加者を刺激する鋭い視点や指摘を含むもので、多くの質問票が寄せられた。約1時間という非常に限られたものであったが、司会の手際の良さも手伝って、ほぼすべての質問票への回答を交えて、濃縮された討論が行われた。 報告者と聴講者とが一体となったこうした活発な議論の風景は、決して大所帯でない当学会の良さを逆に映していた。とは言え、今大会中に会員数が200名を超えたことも、当学会の新たな10年の始まりを象徴する出来事であった。 非営利組織の増大やそれをめぐる諸制度の整備と同時に、非営利組織に関する新たな問題や課題が発生することが予想される。当学会に期待される役割もますます重要なものになることを再認識する大会となった。
- 文献四季報2002 | 公益社団法人 非営利法人研究学会
論文標題:法人税の基本問題雑考 著者名:武田昌輔:所属機関:成蹊大学 雑誌名:會計 第162巻第3号:発行所:森山書店 発表年月:2002年9月:ページ:111〜123 論文標題:商法における資本制度の揺らぎと「資本の部」の表示 著者名:安藤英義:所属機関:一橋大学 雑誌名:會計 第162巻第2号:発行所:森山書店 発表年月:2002年8月:ページ:1〜14 論文標題:税制改革の基本問題 著者名:武田昌輔:所属機関:成蹊大学 雑誌名:税経通信 VOL.57 NO.12:発行所:税務経理協会 発表年月:2002年8月:ページ:50〜56 論文標題:地方自治体会計の課題—その情報公開の実態からの問題提起— 著者名:斎藤真哉:所属機関:青山学院大学 雑誌名:月刊公益法人 8月号:発行所:全国公益法人協会 発表年月:2002年8月:ページ:6〜13 論文標題:企業組織再編成と「資本の部」 著者名:成道秀雄:所属機関:成蹊大学 雑誌名:企業会計 VOL.54 NO.7:発行所:中央経済社 発表年月:2002年6月:ページ:44〜53 論文標題:新会計基準と企業行動—変化と継続— 著者名:藤井秀樹:所属機関:京都大学 雑誌名:會計 第161巻第5号:発行所:森山書店 発表年月:2002年5月:ページ:1〜14 論文標題:公益法人会計基準の見直し問題 著者名:村山徳五郎:所属機関:東北公益文化大学 雑誌名:企業会計 VOL.54 NO.6:発行所:中央経済社 発表年月:2002年5月:ページ:97〜104 論文標題:会計の二つの機能をめぐる諸問題−利害調整と情報提供 著者名:安藤英義:所属機関:一橋大学 雑誌名:一橋論叢 第127巻第4号:発行所:一橋叢書編集所 発表年月:2002年4月:ページ:1〜16 論文標題:キャッシュフロー経営と会計の概念フレームワーク 著者名:佐藤倫正:所属機関:名古屋大学 雑誌名:税経通信 VOL.57 NO.7:発行所:税務経理協会 発表年月:2002年4月:ページ:1〜2(巻頭言) 論文標題:金融資産・金融負債の構成比率の分析 著者名:浦崎直浩:所属機関:近畿大学 雑誌名:税経通信 VOL.57 NO.7:発行所:税務経理協会 発表年月:2002年4月:ページ:50〜58 論文標題:ドイツにおける発生主義予算と公会計制度 著者名:亀井孝文:所属機関:南山大学 雑誌名:南山経営研究 第16巻第3号:発行所:南山大学経営学会 発表年月:2002年3月:ページ:167〜184 論文標題:公正価値会計の視座 著者名:浦崎直浩:所属機関:近畿大学 雑誌名:税経通信 VOL.57 NO.4:発行所:税務経理協会 発表年月:2002年2月:ページ:31〜37 論文標題:法人税法上の有価証券の範囲 著者名:武田昌輔:所属機関:成蹊大学 雑誌名:有価証券の譲渡・評価損益 (日税研論集VOL.48):発行所:日本税務研究センター 発表年月:2002年2月:ページ:3〜55 論文標題:有価証券の譲渡損益 著者名:成道秀雄:所属機関:成蹊大学 雑誌名:有価証券の譲渡・評価損益 (日税研論集VOL.48):発行所:日本税務研究センター 発表年月:2002年2月:ページ:87〜141 論文標題:有価証券の評価損益 著者名:守永誠治:所属機関:静岡産業大学 雑誌名:有価証券の譲渡・評価損益 (日税研論集VOL.48):発行所:日本税務研究センター 発表年月:2002年2月:ページ:143〜170 論文標題:外貨建有価証券等の評価 著者名:野田秀三:所属機関:桜美林大学 雑誌名:有価証券の譲渡・評価損益 (日税研論集VOL.48):発行所:日本税務研究センター 発表年月:2002年2月:ページ:171〜210 論文標題:予測要素の増大がもたらす会計測定・理論への影響 著者名:黒川行治:所属機関:慶應義塾大学 雑誌名:會計 第161巻第2号:発行所:森山書店 発表年月:2002年2月:ページ:27〜38 論文標題:会計基準設定の現代的特徴と会計研究の役割 著者名:藤井秀樹:所属機関:京都大学 雑誌名:會計 第161巻第2号:発行所:森山書店 発表年月:2002年2月:ページ:50〜61 論文標題:公益法人会計基準の見直しに関する論点の整理(中間報告) —その意義と評価について— 著者名:江田 寛:所属機関:公認会計士 雑誌名:月刊公益法人 2月号:発行所:全国公益法人協会 発表年月:2002年2月:ページ:38〜45 論文標題:非営利組織体における財務諸表の構成要素−FASB財務会計概念基準書第6号を中心に− 著者名:橋本俊也 他:所属機関:税理士 雑誌名:愛知学院大学論叢「経営研究」 第11巻第2号:発行所:愛知学院大学経営学会 発表年月:2002年1月:ページ:77〜87 論文標題:商法と会計基準 著者名:安藤英義:所属機関:一橋大学 雑誌名:企業会計 VOL.54 NO.1:発行所:中央経済社 発表年月:2002年1月:ページ:30〜36 論文標題:税法と会計基準 著者名:武田昌輔:所属機関:成蹊大学 雑誌名:企業会計VOL.54 NO.1:発行所:中央経済社 発表年月:2002年1月:ページ:37〜42 論文標題:公益性とその認定基準(下) 著者名:渋谷幸夫:所属機関:常成福祉会 雑誌名:月刊公益法人 1月号:発行所:全国公益法人協会 発表年月:2002年1月:ページ:34〜43 ◆図書の部 書 名:現代企業簿記会計 執筆者:横山和夫:所属機関:東京理科大学 発行所:中央経済社 発行年月:2002年9月:総ページ数:504頁 書 名:非営利組織体の会計 執筆者:杉山 学 他 編著:所属機関:青山学院大学 発行所:中央経済社 発行年月:2002年9月:総ページ数:330頁 文献四季報 2002 このページは本学会会員が、2002年1月〜12月中に学内誌、学会誌、商業誌等に発表した又は今後発表する論文及び単行本を収録するものです。会員の研究学績を広く社会に紹介するために設けました。 情報がありましたらメール等にてお寄せください。 著者名が複数の場合は連記しています。また、所属機関は発表当時のものです。 当学会の学会誌に掲載されたものに関しては、出版のご案内をご参照下さい。 ◆論文の部
- 情報公開 | 公益社団法人 非営利法人研究学会
定款・役員名簿(法人概要を参照) 第九期(2022年8月1日~2023年7月31日) 貸借対照表 第八期(2021年8月1日~2022年7月31日) 貸借対照表 第七期(2020年8月1日~2021年7月31日) 貸借対照表 第六期(2019年8月1日~2020年7月31日) 貸借対照表 第五期(2018年8月1日~2019年7月31日) 貸借対照表 第四期(2017円11月1日~2018 年7月31日 )※公益認定後 貸借対照表 第三期(2017年8月1日~2017年10月31日)※公益認定前 貸借対照表 第二期(2016年8月1日~2017年7月31日 ) 貸借対照表 第一期(2016年1月7日~2016年7月31日 ) 貸借対照表 情報公開
- 第3回学会賞・学術奨励賞 | 公益社団法人 非営利法人研究学会
学会賞・学術奨励賞の審査結果 第3回学会賞・学術奨励賞の審査結果に関する報告 平成16年9月4日 非営利法人研究学会 審査委員長:松葉邦敏 公益法人研究学会学会賞・学術奨励賞審査委員会は、第3回学会賞(平成15年度全国大会の報告に基づく論文及び刊行著書)及び学術奨励賞(平成15年度全国大会の報告に基づく大学院生並びに若手研究者等の論文)の候補作を慎重に審議した結果、残念ながら学術奨励賞に該当する論文はなく、下記の刊行著書を学会賞に選定しましたので、ここに報告いたします。 1. 学会賞 小島廣光(北海道大学)『政策形成とNPO法−問題,政策,そして政治』(A5判、276頁、有斐閣、2003年11月) 【受賞論文の内容と受賞理由】 本書は、その必要性はほとんど一般に理解されていたNPO法が、阪神・淡路大震災を契機として、短時日に「なぜ」しかも「どのようにして」政策形成・立法化されたのかを解明することが著者の直接の動機となり、これを明らかにすることがその目的となったものである。 したがって、その内容は、分析方法としての「改訂・政策の窓モデル」を用いながら(第2章)、NPOの政策形成・立法過程に関わる参加者が輻輳し、それぞれが利害と思惑を異にする中で、どのような過程を踏んで立法化が進捗したか、詳細かつ丹念に事実関係を跡づけ、分析・解明している(第3章から第5章)。さらに、この分析・解明は単に事実を分析・解明しそれを説明するにとどまらず、このNPO法成立過程を評価し、かつ問題点を指摘して将来のあるべき市民立法への提言まで展開している(第6章)。 著者は非営利組織研究の第一線にあるとはいえ、少なくとも経営学の学徒として、異質の政治の世界における政策形成・立法過程の問題に直接挑戦したことはまず賞賛されるべきである。しかも、従来の分析方法(例えば、政策の窓モデル)よりさらに組織的知識創造モデルの視点を取り入れた独自の「改訂・政策の窓モデル」の方法に基づいて立法過程を視ている点が注目される。特に著者が本書において注力した方法である。さらに、方法論において斬新であるばかりでなく、多数の膨大なデータを駆使して政策形成の分析・解明を行い、理論と実証の双方に裏付けられた理論化を試みた点で高く評価される。そのうえで、具体的なNPOの政策形成過程を民法施行(1898年)から阪神・淡路大震災の発生前(1994年)までを1期として、その後のNPO法(優遇税制立法を含む)成立(2001年)までの短期間(6年間)を細かく分けて全6期にわたる詳細な年代記を記述したうえで、独自の方法論によってそれぞれの期間の特質を見事に摘出している。最後に、これは重要な点であるが、本書が立法過程において十分に評価される点と今後の何らかの立法において留意すべき点、さらには市民立法への提言をしていることである。今日すでに、政治と行政、それらと既存の団体と一般市民団体の間に繰り広げられている「公益法人改革」の問題の諸側面を考察し、問題の在処を探る場合に多くの示唆を与えてくれる。 以上から、問題把握の独創性、論述展開の克明性、理論化過程から生まれた具体的な提言などにおいて、極めて優れた著作であり、本学会の学会賞にふさわしい論考として選定することに審査委員の一致した見解を得た。 2. 学術奨励賞 該当論文なし
- 2024最終報告(公益・一般法人研究会) | 公益社団法人 非営利法人研究学会
非営利法人研究学会 公益・一般法人法人研究会 最終報告 (2022年-2024年) 公益・⼀般法⼈等における寄付をめぐる多⾓的検討
- 第3回大会記 | 公益社団法人 非営利法人研究学会
国士舘大学 戸田容弘・臼田正利 統一論題 公益法人の課題と21世紀への期待 1 ミッションベイスト・マネジメント 2 独立行政法人の創設について 3 公益活動における継続事業の概念 4 非営利組織の評価の課題 第3回大会記 1999.10.2 国士舘大学 1999年10月2日(土)、午前10時から公益法人研究学会第3回全国大会が国士舘大学・世田谷キャンパスにおいて開催された。80数名の参加者を得、活発な報告と討論が展開され、最後に懇親会を経て閉会した。 本大会の統一論題は「公益法人の課題と21世紀への期待—公益活動におけるミッションを巡る諸問題—」であり、司会・座長=堀田和宏氏(近畿大学)のもとに4題の研究報告並びに討論が行われた。 自由論題報告は2つの会場に分かれて行われた。A会場では、永島公朗氏(日本大学)の司会のもと、若林茂信氏(公認会計士)「公益法人会計にも国際化の洗礼を」、立岡 浩氏(広島国際大学)「NPO及び組織間関係NPOにおけるマネジメント研究」、B会場では、竹内 拓氏(産能短期大学)の司会のもと、高橋選哉氏(青山学院大学)「NPO法人税制の現状と課題」、樽見弘紀氏(北海学園大学) 「共同募金システムの中心課題〜米国ユナイテッド・ウェイの<ドナー・チョイス>をめぐって〜」の計4題の報告が行われた。 記念講演として、本会会長の守永誠治氏(静岡産業大学)に「大航海時代より大公開時代へ」を講演していただいた。大公開時代に備えて今後の公益法人の発展のためには、本公益法人研究学会の研究とその実務への適用が期待される。 統一論題の報告要旨及び討論は以下のとおりである。 なお、以下の報告要旨のまとめについては、国士舘大学の戸田容弘氏及び臼田正利氏によるものである。 1 ミッションベイスト・マネジメント 報告:島田 恒氏(龍谷大学) 公益法人の存在と活動の本質はそのミッションであり、またその組織発展の原理もミッションに根ざすものである。 したがって、公益法人は、自らの卓越した意図をミッションに表現し、それを成果に獲得して「もう一つの社会」に貢献していく。 20世紀「産業社会」を歴史的に掘り下げ、その発展と限界をDruckerやSimonの所説を説明しながら、自由主義産業社会では、産業の発展、経済の発展は人々に物的豊かさをもたらしはしたが、政治は経済発展を優先し、文化価値が経済的交換価値で値踏みされ、教育は偏差値序列で評価され、「あまりにも経済」という病理を社会にもたらした、と指摘する。そこで、非営利組織の存在の座標を、効率性や公平性・画一性原理ではなく、人間性・市民性・社会性の原理に基づかせ、非常利組織の存在の意義を確保している。 本来ミッションとは、人間を変え社会を変えていくキリスト教の根源的使命を表現する言葉であり、島田氏が関係する日本キリスト教海外医療協力会や(財)アジア保健研修財団のミッションの実践を通して、 独自性と多様性のある非営利組織の第3セクターとして存在感を深めている実証を示した。 それには、絶えす、ミッションを見直し、問い直し、金ではなく、人による協力、 草の根の協力に徹することを確認した。それを支えるものがボランティアとスタッフ、ボラン夕リズムの重要性であり、その源泉はミッションに対する共鳴にほかならない、と指摘している。 2 独立行政法人の創設について 報告:岡本義朗氏(中央省庁等改革推進本部) 平成11年4月27日、「中央省庁等改革推進に関する方針」が中央省庁等改革推進本部(全閣僚により構成)で決定された。それに基づき、独立行政法人(独法と略称)制度が設けられ、その基本となる共通法律事項は、独立行政法人通則法に規定され、本年7月8日国会で成立した。この独法制度の特徴は、第一に、国の事務・事業の実施部門を国家行政組織から独立させた。第二に、国の事務・事業の実施部門に対して、民間の企業経営における長所をとりいれた(独法の特性に応じた形での企業会計原則の導入、自己責任に基づく業務運営の目玉としての評価システムの導入)制度設計である。 この独法には、本来的に追求すべき3つの価値(公共性、自主性、透明性)がある。つまり、公共上の見地から確実に実施され、適性・効率的に運営され、運営の自主性は十分に配慮され、その業務内容を公表して組織及び運営の状況を国民に明らかにすることである。そのため、独法の制度には、①業務運営では、自己責任、目標管理、事後評価(客観性の確保)を導入、②人事管理システムでは、業績給与の導入、役員の公募制、解任の仕組み等を導入、③アカウンタビリティとディスクロージャーの仕組みでは、広範かつ徹底したディスクロージャーのもとに、独法の業務内容、業績、評価等に関する広範な事項を国民に公表する、㈬財務会計制度(国からの予算措置、弾力的な執行、企業会計原則の導入等)により、発生主義の考え方や、複式簿記に従った会計処理が行われ、財務諸表として貸借対照表、損益計算書が作成される。また、その適正性、客観性を担保するため、原則として会計監査人の監査を義務づけた。 企業会計原則導入に伴う主要論点として、①アカウンタビリティの確保、㈪業績評価の観点、課題として、(ア)企業会計における収益と費用の関係、(イ)資本と利益の区別の原則には、独法の制度上の特性に応じて必要な修正を加えて理解する。 特に、運営費交付金、施設費、減価償却の取扱い及び独法の損益計算について、 現時点での意義をこの制度の設定主体者側の立場から論じ、報告している。 3 公益活動における継続事業の概念 報告:小宮 徹氏(公認会計士) 公益事業体は、設立目的そのものが公益的貢献であり使命であるので、社会ニーズに可能な限り応えていくことが公益活動の命題であり、継続事業の存続要件である。 ゴーイング・コンサーンとしての公益事業体は、公益活動を維持・遂行するため収入と支出を伴う。収支の均衡・不均衡は事業体の財産状態に影替を与える。財政的基盤としての純財産(正味財産)は公益活動に必要であり、その適正水準は保持されなければならない。公益事業体は収入面に制約があり、支出面が優先されるので、企業経営よりさらに厳しいチェックアンドバランスの管理手法が適用されるべきであろう。 「公益法人会計基準」では、貸借対照表の作成は取得原価主義に拠るべきことを定めているが、過去の記録である取得原価によって作成される貸借対照表にはその情報的価値に限界がある。公益法人会計でも、貸借対照表は時価主義によって作成することが望ましい。 公益法人の内部留保の計算方式は、総資産から公益法人に必須の財産と純負債(引当資産を控除した後の)を差し引く方式であり、合理的である。 財政安定のため支出は収入の範囲にとどめ、特に長期収入と長期支出の均衡を図る。正味財産の増減は長期財政収支の均衡を示す。長期事業計画に基づき長期予算を編成し財政収支の行先を見通し、採算性の維続的維持を図る。長期予算編成には、予算による計数管埋が不可欠で、①長期事業方針、②収入予測、③資金調達計画が特に重要でめる。 公益活動の成果は、公益事業体が提供するサービスとして、その受益者等の利害関係者から評価される。しかし、その質的成果や量的評価は難しい。公益活動の社会的貢献の尺度を計測可能な財務的数値に求めるとすれば、その成果は、資金を如何に効果的に公益活動に投下したかで評価され得る。資金財源の調達、公益活動のコストの負担も評価の一面である。 それらの社会的評価のもとで、公益事業体は、ゴーイング・コンサーンとして支持を得、存続する、と指摘している。 4 非営利組織の評価の課題 報告:石崎忠司氏(中央大学) 非営利組織の評価は財政の評価だけでは不十分である。多面的な評価判断が必要である。非営利組織の評価を営利組織の評価との比較によって検討している。 1 非営利組繊のミッションと経済合理性の両立 組織目的・形態からみた不経済性では、経済合理性、コスト、品質、時間を戦略要因と認識した経営戦略をとっているか。経済合理性が組織の存続を左右し、組織存続のためには戦略が重要である。 2 非営利組織の評価体系 営利企業の業績評価が多元化しており、この背景が非営利組織の評価にも影響を与えている。その評価体系には、㈰「成果評価」=ミッションの達成度の評価、㈪「組織評価」=組織の多面的な総合評価、を指摘する。「成果評価」としての有効性、公益性、経済性の評価では、「公益性の良否は有効性の良否を左右する」、「有効性の良否は経済性の良否を左右する」、「経済性の良否は公益性を左右する」という関係にある。 3 有効性(ミッションの達成度)の評価方法——成果評価 資金が拠出されている場合にはガバナンスが生じる。ミッションの成果の要因分析においては、①ミッションの妥当性、②顧客ニーズの把握の妥当性、③ミッション遂行計画の妥当性を挙げている。 4 公益性(ミッションの戦略・計画)評価方法 5 経済性(資金の制約)の評価方法 非営利組織の会計制度の体系化が進んでいないため、経済効率の評価、財務安全性の評価、組織間比較に困難性がある。 6 非営利組織の組織評価 複数の指標による総合評価=効果性、公益性、経済性をまとめた多様な総合評価の必要性を指摘している。 また、評価の課題として、情報の公開、第三者機関による評価、評価指標の開発と標準値の算定・公開、社会性、環境パフォーマンスの評価方法の確立など多様な課題を指摘している。 討論会では座長:堀田和宏氏(近畿大学)の司会のもと、発表者4人の報告に基づいて、以下の諸先生から、社会的ニーズとしてのミッションの在り方、ミッションベイスト・マネジメントの評価、ボランティア組織のガバナンス、非営利組織の成果評価、企業会計原則の導入と公会計原則の在り方、減価償却の取扱いなどについて 質疑応答があり、熱心な討論が行われた。質問者は次のとおりである。 臼田克昌氏(日本赤十字社)、吉田忠彦氏(近畿大学豊岡短大)、亀岡保夫氏(公認会計士)、岡村勝義氏(神奈川大学短期大学部)、会田一雄氏(慶應義塾大学)、菊谷正人氏(国士舘大学)、斎藤真哉氏(青山学院大学)、小島廣光氏(北海道大学)、立岡 浩氏(広島国際大学)、守永誠治氏(静岡産業大学)、江田 寛氏(公認会計士)、高橋選哉氏(青山学院大学)、服部信男氏(静岡産業大学)、樽見弘紀氏(北海学園大学)、武田昌輔氏(成蹊大学)、早坂 毅氏(関東学院大学)、保谷六郎氏(聖学院大学)、松葉邦敏氏(国士舘大学)、薄井正徳氏(目黒寄生虫館)。 統一論題発表報告・討論終了後、5号館学生ホールにおいて懇親会が開催された。 開催校を代表して国士舘大学・三浦信行学長の挨拶があり、 なごやかな雰囲気のなか19時30分終了した。
- 第7回学会賞・学術奨励賞 | 公益社団法人 非営利法人研究学会
学会賞・学術奨励賞の審査結果 第7回学会賞・学術奨励賞の審査結果に関する報告 平成20 年9月4日 非営利法人研究学会 審査委員長:大矢知浩司 非営利法人研究学会学会賞・学術奨励賞審査委員会は、第7回学会賞(平成19年度全国大会の報告に基づく論文及び刊行著書)及び学術奨励賞(平成19年度全国大会の報告に基づく大学院生並びに若手研究者等の論文及び刊行著書)の候補作を慎重に審議した結果、学会賞に該当する論文又は著作物はなく、学術奨励賞に下記の著作を選定しましたので、ここにご報告いたします。 1. 学会賞 該当者なし 2. 学術奨励賞 池田享誉(青森公立大学)『非営利組織会計概念形成論』(A5判、185頁、森山書店、2007年7月) 【受賞作の特徴と受賞理由】 本書は、わが国会計学界に多大なインパクトを与えたアメリカの「FASB概念フレームワーク」(以下「SFAC」という。)のうち、特に非営利会計の概念フレームワークに焦点を当て、・「FASBの非営利会計概念フレームワークの成立過程を方法論かつ歴史的に吟味し、FASBの非営利会計諸概念の成立過程を検討すること」及び・営利会計と非営利会計の「統合的概念フレームワーク」の適否を評価し、検討することの2点にその目的があるとしている。この研究テーマを解明するに当たって、論者はSFACの方法論的基礎である「意思決定有用性アプローチ」と「資産・負債視角」を前提として、内在的批判を試みているのが特徴である。 第1のテーマでは、ASOBATをはじめ、AAA第一次フリーマン委員会報告書(第2章)、第二次・第三次フリーマン委員会報告書(第3章)及びアンソニー報告書(第4章)の内容を詳細に分析し、各報告書間における矛盾を摘出するとともに継承された部分を明確化し、非営利会計概念フレームワーク(第5章)を導き出している。 第2のテーマに関しては、SFAC第4号はアンソニー報告書の提起した「財務資源源泉アプローチ」を継承し、Bタイプ非営利組織のみをノンビジネス組織とし、営利企業と独立採算型組織(Aタイプ)とを共通の適用対象とした結果、「統合的概念フレームワーク」が生まれる一因となったと指摘している。しかし、これはSFAC第4号と第6号との間に矛盾が生ずる一因ともなっている。 SFAC第4号・第6号を内在的に批判し、分析検討した結果、論者は次のような問題点があると結論づけている。すなわち、 ・ 営利・非営利統合的概念フレームワークを採用した結果、非営利会計に固有の諸要素を主要情報として要求していないので、非営利会計の概念フレームワークとして不十分である。 ・ SFAC第6号は、㈰非営利組織に固有の財務諸表構成要素を1つも追加しなかったため、非営利組織の業績情報を提供するものとなっていない、㈪資産を将来のキャッシュ・フローと結びつく「将来の経済的便益」と定義しているが、非営利組織の資産は必ずしも将来のキャッシュ・フローをもたらすものではない、㈫収益を営利・非営利に共通の財務諸表構成要素としたが、非営利組織の収益はサービスの提供の成果ではなく、純資産の源泉情報を表すものである、㈬非営利会計に固有の部分として新たに追加されたのは拘束情報のみに過ぎない。 ・ SFAC第4号では、「効率性と有効性」に対する情報ニーズを認識しながら、「サービス提供成果」情報の提供は軽視されている。 わが国ではこれまでSFACに関する論文が多数見受けられたが、本書ほど精緻にかつ批判的に分析された論文は少ない。 以上から、分析視点、問題意識の明確性、内在的批判による矛盾点の摘出、論理展開の精緻化等を総合的に評価し、学術奨励賞にふさわしい論考として選定することに審査委員の一致した見解を得た。
- 第1回大会記 | 公益社団法人 非営利法人研究学会
1997.10.4 青山学院大学 統一論題 公益法人研究の現状と課題—公益法人研究の原点を巡って— 1 非営利セクターとしての公益法人の戦略行動 2 公益法人会計の問題点と改質向上への一考察 3 社会福祉法人会計の本質 公益法人研究学会(会長:守永誠治氏)の第1回大会は、1997年10月4日、青山学院大学青山キャンパスの11号館において開催された。 統一論題「公益法人研究の現状と課題─公益法人研究の原点を巡って─」のもと、興津裕康氏(近畿大学)の総合司会により二題の研究報告並びに討論が行われた。 また、自由論題の報告と記念講演も併せて行われた。 1 非営利セクターとしての公益法人の戦略行動 報告:吉田忠彦氏(近畿大学豊岡短期大学) 吉田氏は「非営利組織としての公益法人の戦略行動《と題し、公益法人を非営利セクターの中核として捉えた上で、その経営戦略を規定する要因と戦略の類型について報告された。すなわち、非営利組織は①自ら掲げる使命遂行を目的とするが、②一方では組織の存続・拡大の慣性も働き、マクロ的には③組織の生存領域及び規模は政府(主務官庁)の調整に大きく影響される、と分析。そうした環境に適応するために、非営利組織は事業構造の戦略、競争の戦略、協調戦略をとるべきだと強調した。ただ、それらの戦略は、サービスの受け手だけでなく、支払い手となる多様な関連他者からのフィードバック情報に基づいて策定されるため、吊声獲得や協調戦略が重視されなければならないと主張された。 2 公益法人会計の問題点と改質向上への一考察—アメリカ非営利法人会計基準との比較— 報告:若林茂信氏(東京経営短期大学) 若林氏は「公益法人会計の問題点と改質向上への一考察《と題して報告された。この中で氏は現在国際的に最高の水準にある、私的セクターに属する非営利法人を対象としたアメリカの会計基準の発展の軌跡から現状を展望、その顕著な特色として12項目を抽出。このうち、日本の公益法人(広義に想定)会計を改質向上させるために適切と思われる8項目を教訓として選定され、これを公益法人会計の問題点を考察する上での好個の研究資料として活用すべきであることを主張された。 3 社会福祉法人会計の本質—施設会計を中心として— 報告:松倉達夫氏(中部女子短期大学) 松倉氏は自由論題として「社会福祉法人会計の本質《をテーマに、特に施設会計を中心に報告された。現在社会福祉法人に適用されている経理規定準則は1976年に発表され、それ以前の会計指針に比して近代化し、改善されたが、なお実務上問題があることを、氏は次の事項を掲げて本質を追究し、問題点の理論的な指摘がなされた。①消費経済体、②受託者会計、③複式簿記の徹底、④発生主義会計、⑤経理責任の明確化、⑥管理組織の確立、⑦予算の重要性、⑧収支計算書と貸借対照表。 以上の報告のほか、統一論題を総括するパネルディスカッションが開かれ、松葉邦敏氏(成蹊大学)を座長として、報告者の吉田氏、若林氏に白井万佐夫氏(公認会計士)、永島公朗氏(産能短期大学)、朊部信男氏(産能短期大学)がパネラーとなり、大会参加者を交えて活発な討論が展開された。 また、今大会では武田昌輔氏(成蹊大学)が「公益法人課税の史的変遷と今日的課題」と題して記念講演をされ、大会に華をそえた。 この後、会場を青学会館に移して懇親会が催され、青山学院大学を代表して経営学部長の杉山学氏が挨拶、会田一雄氏(慶應義塾大学)による乾杯の発声があり、会員の親睦と学会の今後の発展を祈った。 第1回大会記
- ワーキングペーパー | 公益社団法人 非営利法人研究学会
ワーキングペーパー 本学会では、非営利分野の発展に寄与することを目的として『ワーキングペーパー』を発行しています。 ▶ワーキングペーパー投稿規程(PDF) ◆2019年度ワーキングペーパー一覧 ワーキングペーパー
