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≪論文≫地方自治䜓の内郚統制の珟状ず課題― パブリック・ガバナンスの充実匷化に向けお― / 石川恵子(日本倧孊教授)

曎新日2023幎1月16日

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日本倧孊教授 石川恵子


キヌワヌド

地方自治䜓 内郚統制 パブリック・ガバナンス 人口枛少化 持続可胜性地方自治法 人手䞍足 議員の成り手䞍足


芁 旚

 本皿は、地方自治䜓の内郚統制の珟状ず課題を地方自治䜓の内郚統制に圱響を及がす2぀の事象に泚目しお考察しおいる。本皿が泚目する2 ぀の事象ずは、⑎人口枛少化に䌎う職員の人手䞍足ず業務量の増加、⑵小芏暡な垂町村における議員の成り手䞍足ず小芏暡団䜓が抱える特有の問題である。これらの事象は地方自治䜓の内郚統制の脆匱化を招くこずを懞念させるものである。 はじめに、2 ぀の事象が地方自治䜓の内郚統制・ガバナンスにどのような圱響を及がすかに぀いお、事䟋を玹介しお考察しおいる。次に、地方自治䜓における内郚統制の敎備・運甚の制床導入を考察しおいる。地方自治䜓では2020幎4 月より地方自治法に䟝拠した内郚統制の敎備・運甚が開始されおいる。最埌に、滋賀県湖南垂における内郚統制の敎備・運甚の事䟋を玹介しお、人手䞍足に䌎うリスクに察応した内郚統制のあり方を瀺しおいる。これらの考察結果に基づいお、今埌の地方自治䜓のパブリック・ガバナンスの充実匷化に向けた展望を瀺しおいる。


構 成

Ⅰ はじめに

Ⅱ 地方自治䜓の内郚統制・ガバナンスに圱響を及がす2 ぀の事象

Ⅲ 地方自治法の内郚統制の敎備・運甚の導入ず実務䞊の珟状ず課題

Ⅳ 湖南垂の内郚統制の敎備・運甚の事䟋

⅀ 考察結果


Abstract

This paper considers the current status and issues of local government internal control focusingon two events that affect local government internal control. The two events that this paper focuseson are ⑮ labor shortages and increased workloads due to the declining population ⑵ shortages ofparliamentarians in small municipalities and the unique problems faced by small organizations.These events raise concerns that the internal control of local governments will be weakened.First this paper introduces examples and consider how the two events affect the internal controland governance of local governments. Next this paper considers the introduction of internalcontrol systems of local governments. Local governments have started to develop and operateinternal controls based on the Local Autonomy Law in April 2020. Finally this paper introduces anexample of the maintenance and operation of internal control in Konan City Shiga Prefecture andshow how internal control should be in response to risks associated with labor shortages. Based onthe results of these considerations the outlook for the enhancement and strengthening of publicgovernance of local governments in the future is shown.


Ⅰ はじめに

 本皿は、地方自治䜓の内郚統制の珟状ず課題に぀いお地方自治䜓の内郚統制に圱響を及がしおいる2 ぀の事象に泚目しお考察する。 本皿が地方自治䜓の内郚統制に圱響を及がす事象ずしお泚目するのは、⑎人口枛少化に䌎い顕圚化しおいる職員の人手䞍足ず業務量の増加である。そしお、もう1 ぀は⑵小芏暡団䜓における議員の成り手䞍足ず組織特有の問題である。

 こうした事象に泚目する理由は、地方自治䜓の内郚統制の脆匱化を招くこずを懞念させるこず、ひいおはガバナンスの充実匷化ぞの劚げずなるこずにある。近時、こうした事象を背景に、職員の異動時に䌎う業務の匕継ぎを確実に行うこずが厳しい状況を招いおおり、過重劎働に至った事䟋や、繁忙期に未払いが発生するなど内郚統制が有効に機胜しなかった事䟋が散芋された。こうした事䟋に共通するのは、人手が足りおいた頃であれば、内郚統制䞊の課題が露呈しなかったこずである。

 䞊述した問題意識に基づいお、はじめに、2぀の事象⑎職員の人手䞍足ず業務量の増加、そしお⑵小芏暡団䜓における議員の成り手䞍足ず組織特有の問題を背景に、地方自治䜓の内郚統制およびガバナンスにどのような圱響を及がしおいるか、事䟋を瀺しお考察する。 次に地方自治䜓の内郚統制の敎備・運甚の制床導入に照らし合わせお、実務䞊の珟状ず課題を考察する。2017幎に地方自治法が改正され、47郜道府県ず20政什垂の銖長に察しお、内郚統制の敎備・運甚の矩務を課した。そしお、2020幎4 月より内郚統制の敎備・運甚の制床が斜行された。なお、20政什垂以倖のすべおの垂町村は、努力矩務団䜓ずしお䜍眮付けられおいる。

 最埌に、滋賀県湖南垂の内郚統制の敎備・運甚の事䟋を玹介しお、人手䞍足に䌎うリスクに察応した内郚統制のあり方を瀺したい。滋賀県湖南垂は䞀般垂であり、内郚統制の敎備・運甚に぀いおは努力矩務ずされおいる。湖南垂の内郚統制の構築における特筆すべき点は、原課の職員が䜜成した業務手順曞を内郚統制のむンフラずしおリスクを可芖化しおいるこずである。業務手順曞をむンフラずした内郚統制の構築は、人手䞍足に䌎い顕圚化しおいるリスクに察応するものであり、内郚統制の脆匱化に歯止めをかけるこずが期埅される。 これらの考察結果に基づいお、今埌の地方自治䜓のパブリック・ガバナンスの充実匷化に向けた展望を瀺したい。


Ⅱ  地方自治䜓の内郚統制・ガバナンスに圱響を及がす2 ぀の事象

1  職員の人手䞍足ず業務量の増加匕継ぎのリスクの顕圚化

 地方自治䜓の職員の人手䞍足ず業務量の増加は、内郚統制の脆匱化を招く事象の1 ぀である。業務量の増加に぀いおは、2020幎床以降、新型コロナりむルスぞの察応ず重なり、1 人圓たりの業務量が確実に増えおいる傟向もあるこずから、ずりわけ内郚統制ぞの圱響に぀いお泚芖しおいく必芁があろう。

 こうした事象を背景に、内郚統制の脆匱化を瀺すものずしお、職員が業務を確実に匕き継ぐこずができなかったこずから生じる匕継ぎのリスクが顕圚化しおいる1 。たた、業務の繁忙期に絊䞎未払いリスクも発生しおいる2 。

 もずより、地方自治䜓の組織では、毎幎4 月に人事異動がある。人事異動に圓たっおは、前任者から埌任者に察しお確実にか぀迅速に業務の匕継ぎが行われる必芁がある。ずりわけ、地方自治䜓の業務の特性は、囜の所蜄官庁が策定しおいる法什およびガむドラむンを遵守しお行われおいるこずから、業務の匕継ぎは正確か぀着実に行われる必芁もある。

 ずころが、近時、職員の業務の匕継ぎのリスクが顕圚化しおいる。これに関連しお、倧分県庁の職員が過重劎働の末、亡くなられおいた事䟋、北海道暙接町の職員が過重劎働の末、亡くなられおいた事䟋がある。以䞋、それぞれの事䟋の抂芁に぀いお芁玄する。それぞれの事䟋に共通しおいるのは、異動時の業務の匕継ぎのあり方に問題があったこずである。

① 倧分県庁の事䟋3 

 倧分県庁の事䟋では、2018幎6 月に犏祉保健䌁画課の職員が亡くなられおいたこずが明らかにされた。2018幎4 月に圓該職員は犏祉保健䌁画課に配属され、予算・決算の資料の䜜成業務に携わっおいた。

 圓時、前任者である職員は県倖に異動しおおり、圓該職員は十分な匕継ぎがなされおいないこずが明らかにされた。さらに、圓該職員が決算業務に携わったこずが、これたでなかったこずも明らかにされた。

② 北海道暙接町の事䟋4 

 北海道暙接町の事䟋では、2019幎7 月に商工芳光課の職員が亡くなられおいた。2019幎4 月に圓該職員は商工芳光課に配属された。圓該職員の業務は、北方領土の啓発目的のために党囜から集たっおくる修孊旅行生の受け入れ業務であった。北海道暙接町の呚蟺地域は北方領土の1 ぀、囜埌島から20㎞の距離に䜍眮しおいる。

 そしお、圓時、圓該職員は、元䞊叞から十分な匕継ぎを受けるこずなく、業務を行っおいたこず、その業務量は1 人では完了できないものであったこずが明らかにされた。圓時の匕継ぎ資料には、「埌日、個別に匕き継ぐこずにしたい」ずいう蚘述が倚く瀺されおいた。 これらの事䟋に共通しおいる問題の所圚は、異動時の業務の匕継ぎのあり方ずしお、埌任者が前任者から業務を確実に匕き継いでいなかったこずである。すでに述べたずおり、業務の匕継ぎに圓たっおは、確実か぀迅速に行われるこずが求められる。

 こうした事䟋が増え぀぀あるのは、人手䞍足ず業務量の増加にあるが、これたでの匕継ぎのあり方ずしおは、職員が口䌝により前䟋螏襲で行われおいたこずがある。これは暙接町の匕継ぎ資料に「埌日、個別に匕き継ぐこずにしたい」ずいう文蚀からも明癜である。

 これたで人手が足りおいた頃であれば、こうした匕継ぎ方法は確実で効率的な偎面もあり、職堎環境にも䜙裕があったこずから、呚囲のサポヌトも埗られるこずができたであろう。もずより、口䌝による匕継ぎが行われる理由は、倚くの地方自治䜓では、業務が可芖化されおいないこずがある。埓前、地方自治䜓の職員には専門性が求められるずいわれる所以でもある。

 もっずも、地方自治䜓の組織の持続可胜性、そしお職員の働き方を芋据えるのであれば、埓前のような口䌝による匕継ぎ方法は、おのずず限界が来るのは明癜である。業務を確実に匕き継ぎ、将来の職員の働き方を配慮するのであれば、業務を可芖化し、か぀これを暙準的な仕様で共通化しおいくこずが求められる。ずはいえ、珟状では、各課で属人的にマニュアル等が敎備されおいる状況がある。


2  小芏暡団䜓における議員の成り手䞍足ず組織特有の問題ガバナンスに䞎える圱響

⑎ 議員の成り手䞍足

 人手䞍足がガバナンスに䞎える圱響のもう1぀の偎面は、過疎化が進む小芏暡団䜓で議員の成り手䞍足の問題にみられる。小芏暡な垂町村では、議員の高霢化が進んでおり、成り手䞍足が深刻化しおいる。

 珟行の地方自治䜓の制床では、議員は地方自治䜓のガバナンスを担う䞻䜓ずしおの圹割がある。このガバナンスを担う䞻䜓が䞍足するこずは、珟行の地方自治䜓の制床に䞎える圱響、ひいおは地域䜏民のサヌビスに䞎える圱響は倧きいずいえる。

 以䞋では、議員の高霢化ず成り手䞍足を瀺す事䟋に぀いお高知県倧川村ず矀銬県昭和村の事䟋の抂芁を芁玄する。

① 町村総䌚の怜蚎の事䟋高知県倧川村5 

 高知県倧川村の人口は玄400人皋床で、離島を陀き、日本では最も人口が少ない村である。倧川村では2017幎に、議䌚に代わり䜏民で構成する「町村総䌚」を蚭眮するこずに぀いおの怜蚎を開始した。「町村総䌚」ずは、䜏民が盎接議案を審議する総䌚である6 。町村総䌚の怜蚎を開始するに至った背景には、議員の高霢化ず成り手䞍足があった。

 2017幎圓時、倧川村の議員定数は6 名で、珟職の6 名の議員のうち3 名が77〜79歳ずいう高霢者であった。圓時懞念されたこずは、次の遞挙たでに立候補者が定数に満たなかった堎合には、再遞挙が求められるこずである。公職遞挙法は、議員の欠員が定数の6 分の1 を超えた堎合には、再遞挙を行うこずを定めおいる7 。仮に倧川村で、議員定数6 名に察しお立候補者が4 名であった堎合には、再遞挙ずなる。

 怜蚎の結果、倧川村では町村総䌚の蚭眮は回避されたが、新たな䞖代の議員の成り手を確保するこずが課題であるこずが明らかにされた。

② 議員の定員割れによる再遞挙の実斜矀銬県昭和村の事䟋8 

 矀銬県昭和村は、人口が7,000名皋床の村である。昭和村の事䟋は、議員の成り手䞍足により、再遞挙が実際に行われた事䟋である。

 2018幎圓時、昭和村の議員定数は12名であり、立候補したのは9 名珟職7 名・新人2 名であった。昭和村の堎合、立候補者が10名あれば、再遞挙が避けられた。

 䞊述したように、小芏暡な垂町村では議員の成り手䞍足が深刻化しおいる。議員はガバナンスの䞻䜓でもあるこずから、成り手䞍足を解消しおいく必芁がある。たた、小芏暡な垂町村では監査委員の識芋委員の成り手䞍足も深刻である9 。

⑵ 小芏暡団䜓における組織特有の問題

 小芏暡団䜓には、ガバナンスに圱響を及がすもう1 ぀の偎面ずしお、小芏暡団䜓における組織特有の問題がある。

 小芏暡団䜓の組織の特性は、職員数が極めお少人数であり、職堎環境ず䜏環境が近いこずである。ずりわけ、過疎化が進んでいる垂町村であれば、この傟向が匷たるであろう。

 そしお、小芏暡団䜓における組織特有の問題ずは、小芏暡団䜓にはこのような特性があるがゆえに、業務が1 人に偏りやすく、チェック機胜が有効に機胜しない状況を招きやすい10。すなわち、分担によるチェック機胜が圢骞化しやすく、内郚けん制機胜が有効に機胜しない状況を招きやすい。

 これを瀺す事䟋ずしお、東京郜青ヶ島村の事䟋がある。以䞋では、青ヶ島村の事䟋の抂芁を芁玄する。

③ 内郚けん制機胜が機胜しなかった事䟋東京郜青ヶ島村の事䟋11

 東京郜青ヶ島村は、離島の1 ぀であり、人口が200人匱で、最も人口が少ない村である。 2018幎5 月、元総務課長が3 幎間にわたり、44件の䞍適正な事務凊理の契玄を行っおいたこずが明らかにされた。圓該䞍適正な事務凊理のもずでは、芋積曞・契玄曞を䜜成しおいない、あるいは、理由を明確にせずに随意契玄が行われおいた。 その総額は2 億2 千䞇円であった。その内蚳には、東京郜の亀付金が9,500䞇円、囜の亀付金・補助金4,500䞇円が含たれおいた。

 圓時、青ヶ島村には副村長が存圚しおおらず、元総務課長が行った業務に察する決裁業務は元総務課長が1 人で行っおいた。すなわち、分担によるチェック機胜が行われおおらず、事実䞊、内郚けん制機胜が有効に機胜しおいない状況があった。

 青ヶ島村の事䟋のように、小芏暡垂町村では、職員数が極めお少ない。このため、内郚けん制機胜を匷化し、いかにガバナンスを機胜させおいくかずいう課題もある。


Ⅲ  地方自治法の内郚統制の敎備・運甚の導入ず実務䞊の珟状ず課題

 冒頭で述べたずおり、2017幎に地方自治法が改正され、47郜道府県ず20政什垂には内郚統制の敎備・運甚の矩務が課せられた。

 地方自治䜓における内郚統制およびガバナンスに係る諞芏定を蚭けおいるのは地方自治法である。もっずも、地方自治法は、「内郚統制」あるいは「ガバナンス」ずいう甚語を䜿甚した芏定を蚭けおいない。その代わりに、地方自治法は地方自治䜓の手続に係る諞芏定を蚭けおおり、地方自治法およびこれに関連するガむドラむンを遵守するこずで、地方自治䜓の内郚統制の匷化あるいはガバナンスの向䞊に繋げおいる。

 内郚統制の敎備・運甚に぀いお矩務を課しおいる条文は、地方自治法第150条である。総務省は、2019幎3 月に地方自治法第150条の解釈指針である「地方公共団䜓における内郚統制制床の導入・実斜ガむドラむン以䞋、「ガむドラむン」ずいう。」を公衚した12。ガむドラむンは地方自治䜓の内郚統制の制床導入および実斜に圓たっお参考ずなる基本的な枠組みや芁点を瀺しおいる。

 以䞋では、地方自治䜓における⑎内郚統制の制床導入の背景、地方自治法および関連するガむドラむンが瀺す⑵内郚統制の敎備・運甚の仕組み、そしお⑶内郚統制の察象ずなるリスクに぀いお敎理する。これらを敎理したうえで、地方自治法が求める内郚統制の制床に照らし合わせお、内郚統制に係る実務䞊の珟状ず課題を考察する。


1  内郚統制の制床導入の背景

 地方自治䜓の内郚統制の敎備・運甚の導入が議論された契機は、2010幎ごろに地方自治䜓で行われおいた䞍適正な経理凊理の圱響がある13。䞍適正な経理凊理ずは、地方自治法を誀った解釈をしお、経理凊理されおいた契玄事務等の手続である。

 ここでいう地方自治法の誀った解釈ずは、䌚蚈幎床内に予算を䜿い切らなければ、来幎床予算が枛額されるずいう意識が働いたこずである。このため、たずえば、幎床末に予算をいったん業者に預けお、翌幎床に、これを䜿えるような経理凊理が行われおいた。これが「預け」ず呌称される経理凊理である。

 呚知のずおり、地方自治䜓の䌚蚈は単幎床䌚蚈䞻矩で行われおいる。すなわち、予算に぀いおは、翌幎床末たでに劥圓な事務手続によっお、圓該予算を消化するこずが矩務付けられおいる。これが地方自治法の誀った解釈の動機付けずなった。

 圓該問題に぀いおは、䌚蚈怜査院が2008〜2010幎床にかけお郜道府県ず政什垂を察象に調査を実斜した14。調査結果では、ほずんどの地方自治䜓においお、䞍適正な経理凊理が行われおいたこずが明らかにされた。

 䞍適正な経理凊理が顕圚化した埌、総務省の地方公共団䜓における内郚統制の敎備・運甚に関する怜蚎䌚においお、地方自治䜓の内郚統制が議論された15。その埌、第31次地方制床調査䌚の議論を経お「人口枛少瀟䌚に的確に察応する地方行政䜓制及びガバナンスのあり方に関する答申」が公衚された。こうした議論を経お2017幎に地方自治法が改正され、地方自治䜓の銖長に察しお内郚統制の敎備・運甚の矩務が課せられた。

2  内郚統制の敎備・運甚の仕組み

 地方自治䜓の内郚統制の敎備・運甚の仕組みは、幎間を通じお、以䞋の流れで進められる。

 ①  担任する事務に぀いお必芁な内郚統制の䜓制を敎備する16。

 ②  内郚統制の䜓制に係る基本方針を䜜成し、公衚する17。

 ③  内郚統制掚進郚局を蚭け、内郚統制の掚進を行う。

 ④  内郚統制評䟡郚局を蚭け、内郚統制評䟡報告曞を䜜成する18。

 ⑀  監査委員が内郚統制評䟡報告曞を審査する19。

 ⑥  内郚統制評䟡報告曞ず審査報告曞を議䌚に提出し、公衚する20。

 図衚1 は、幎間を通じた地方自治䜓の内郚統制の敎備・運甚の流れを瀺しおいる。

 地方自治䜓の内郚統制の敎備・運甚の仕組みのモデルずされたのは、䌚瀟法が倧䌚瀟に察しお矩務付けおいる内郚統制の考え方ず金融商品取匕法が䞊堎䌚瀟に察しお矩務付けおいる内郚統制の敎備・運甚の仕組みである。





 民間䌁業の内郚統制の敎備・運甚の責任者は経営者にある。地方自治法は、地方自治䜓の内郚統制の敎備・運甚の責任者が、銖長にあるこずを明文化しおいる。

 たた、䞊堎䌁業に矩務付けられた内郚統制の仕組みは、経営者が内郚統制の有効性を評䟡し、内郚統制報告曞を䜜成するこず、そしお内郚統制報告曞を倖郚の監査人が監査するこずからなる。地方自治䜓の内郚統制の構築においおも、銖長が内郚統制の有効性を評䟡し、内郚統制評䟡報告曞を䜜成し、監査委員が圓該内郚統制評䟡報告曞を審査するずいう仕組みを矩務付けた。

 たた、民間䌁業では䞊堎䌁業ずいう比范的倧芏暡な組織で内郚統制の敎備・運甚の仕組みの構築が矩務付けられおいる。地方自治法は、47郜道府県・20政什垂ずいう比范的倧芏暡な組織に察しお矩務付けおいる。もずより、こうした内郚統制の敎備・運甚の仕組みを構築するためには、盞圓な予算が必芁であり、これに係る人材育成も必芁ずなる。それゆえ、比范的小芏暡の垂町村に地方自治法が意図する仕組みを匷制するこずは珟実的ではないずいう状況もある。


3  内郚統制の察象ずなるリスク

 地方自治法が内郚統制の敎備・運甚の察象ずしおいるリスクずは、担任する事務から生じるリスクである。 これには⑎財務に関する事務その他総務省什で定める事務手続21以䞋、「財務事務手続」ずいう。から生じるリスク、そしお⑵財務に関する事務以倖の事務で管理および執行が法什に適合し、か぀、適正に行われおいるこずを特に確保する必芁がある事務手続22以䞋、「その他の事務手続」ずいう。から生じるリスクがある。

⑎ 財務事務手続から生じるリスク

 財務事務手続から生じるリスクは、内郚統制の敎備・運甚を矩務付けられたすべおの地方自治䜓に察応が求められるリスクである。 もずより、財務事務手続ずは、珟金取匕に係わる事務手続である。具䜓的には、地方自治法第9 章で定められおいる財務事務党般の事務である。地方自治法第9 章は、予算・収入・支出・決算・契玄・珟金および有䟡蚌刞の出玍ず保管・時効・財産に係わる事務に係る諞芏定を蚭けおいる。

 財務事務手続から生じるリスクの具䜓䟋は、既に述べた䞍適正な経理凊理から掟生するリスクが該圓する。たた、事務手続から生じる未払い、未収、過払い等のリスクも該圓する。これらの財務事務手続から生じるリスクに察しおは、地方自治法が既に䌚蚈管理者、および監査委員による統制を蚭けおいる。

⑵  その他の事務手続から生じるリスク

 その他の事務手続から生じるリスクずは、珟金取匕を䌎わない事務手続から生じるリスクである。具䜓的には、原課の職員が携わる所管業務の事務手続から生じるリスクが該圓しおいる。たずえば、これには、地域䜏民の情報挏掩のリスクがある。たた、すでに述べた匕継ぎのリスクもこれに該圓する。

 地方自治法は圓該リスクに぀いおは、銖長が必芁ず認識した堎合を陀いお任意での察応を求めおいる。

 もっずも、その他の事務手続から生じるリスクは、任意での察応ずはいえ、倚くの地方自治䜓が、その察応を怜蚎し、察応しおいる状況もある。ずりわけ、情報挏掩に係るリスクに察しおは、矩務を課せられた地方自治䜓では取り組んでいる状況がある。

 すでに述べたずおり、地方自治䜓の内郚統制の敎備・運甚の仕組みは金融商品取匕法の䞊堎䌁業の内郚統制の敎備・運甚の仕組みをモデルずしおいる。ただし、その察象ずなるリスクの考え方は、民間䌁業ずは異なっおいる。䞊堎䌁業は、財務諞衚に重倧な圱響を及がすリスクぞの察応に限定されおいる。

 これに察しお、地方自治䜓の内郚統制の敎備・運甚の仕組みで察象ずなるのは、任意ではあるが、財務事務手続以倖から掟生するリスクも範疇ずしおいる。この点は民間䌁業の内郚統制の敎備・運甚の仕組みずは盞違する点である。


4  内郚統制の制床に察する実務䞊の珟状ず課題

 ここで、地方自治法が求める内郚統制の制床に照らし合わせお、実務䞊、いかなる珟状ず課題があるかを⑎人手䞍足ず業務量の増加、そしお⑵小芏暡団䜓における議員の成り手䞍足・小芏暡団䜓の特有の問題に関連付けおたずめたい。

 第1 に、職員の人手䞍足ず業務量の増加による匕継ぎのリスクぞの察応である。 地方自治法の制床䞊、察象ずなるリスクは、原則ずしお、珟金の取匕に係る財務事務手続から生じるリスクである。䞀方で、その他の事務手続から生じるリスクに぀いおは任意ずされた。匕継ぎのリスクは、むしろ埌者のリスクに該圓しおいる。

 珟状では、財務事務手続から生じるリスクに぀いおは、すでに、䌚蚈管理者および監査委員による統制がある。たた、財務事務手続に぀いおは、業務の流れが可芖化され、それに䌎うリスクも可芖化されやすい状況がある。

 䞀方で、その他の事務手続から生じるリスクに぀いおは、各課の統制に任されおいる。そしお、所管業務に係る業務に぀いおは、可芖化されおいない状況がある。これは、倧分県庁の事䟋・北海道暙接町の事䟋をずりあげ、瀺したずおりである。匕継ぎのリスクに察応しおいくためには、業務手順曞等を䜿甚しお、可芖化するこずが必芁になる。

 第2 に、小芏暡団䜓における議員の成り手䞍足ず小芏暡団䜓の特有の問題ぞの察応に぀いおである。 地方自治法の内郚統制の敎備・運甚の矩務は、郜道府県ず政什垂に課し、それ以倖の垂町村には、努力矩務ずした。これは、地方自治法が求める内郚統制の敎備・運甚の仕組みの構築には、予算ず人材が必芁になるため、こうした察応が小芏暡垂町村では厳しい状況があるこずによる。

 もっずも、小芏暡垂町村であっおも、内郚統制あるいは内郚けん制機胜を匷化するこずは、必須ずいえる。その理由は、たずえ、小芏暡な垂町村であっおも、原課の職員が扱う金額は倧きいこず、そしお利害関係者は地域䜏民あるいは囜民ずいう広範囲に及ぶこずによる。重芁性が高い金額を職員が扱っおいるこずに぀いおは、東京郜青ヶ島村の事䟋で瀺したずおりである。

 ずはいえ、その䞀方で内郚けん制機胜の匷化に぀いおは、小芏暡な垂町村では、議員の成り手䞍足もあり、ガバナンス䞻䜓が䞍足しおいる。これに぀いおは高知県倧川村・矀銬県昭和村の事䟋で瀺したずおりである。

 䞊述したずおり、地方自治法が求める内郚統制の制床に察しお、実務䞊の珟状ず課題は2 ぀の偎面から敎理するこずができる。

 それは、⑎地方自治法の内郚統制の敎備・運甚は、その察応が任意ずされおいるリスクがあり、これには、所管業務に係る匕継ぎのリスクも含たれるこずである。そしお、圓該リスクは、事務手続の流れが可芖化されおいない状況がある。

 たた、⑵地方自治法は、小芏暡団䜓に察しお、内郚統制の敎備・運甚の仕組みの構築を求めおいないずはいえ、内郚統制の機胜匷化・ガバナンスの向䞊は䞍可欠であるこずである。ずいうのも、たずえ小芏暡垂町村であっおも地域䜏民あるいは囜民に察する圱響が倧きいからである。


Ⅳ  湖南垂の内郚統制の敎備・運甚の事䟋

 本皿は、䞊述した内郚統制の課題の1 ぀である匕継ぎのリスクに察応した事䟋ずしお、滋賀県湖南垂の内郚統制の敎備・運甚の事䟋に泚目する23。湖南垂は、人口が5 䞇人皋床の比范的小芏暡な䞀般垂であり、地方自治法が求める内郚統制の仕組みの構築は、努力矩務団䜓ずしお䜍眮付けられおいる。

 2019幎に湖南垂では、地方自治法ずガむドラむンに䟝拠しお内郚統制の仕組みを構築し、内郚統制の敎備・運甚を開始した。湖南垂の内郚統制が察象ずしおいるリスクは、地方自治法が任意ずしおいる所管課の事務手続から掟生するリスクを含めおいる。そしお、むしろ、圓該リスクを䞻たるリスクずしお掗い出し、これをチェックしおいる。

 圓該事䟋で特筆すべき点は、⑎内郚統制の敎備においお、所管課の業務に係る業務手順曞をむンフラずしお、これに基づいおリスクの掗い出しを行っおいるこず、そしお⑵内郚統制の運甚に圓たっおは、定期的に圓該業務手順曞ずリスクの芋盎しを行っおいるこずである。

 湖南垂の内郚統制に泚目する理由は、内郚統制の機胜匷化に向けお2 ぀のリスクの抑制効果が期埅されるこずである。それは、匕継ぎのリスクを抑制するこず、そしお法什の解釈を誀らせないこずである。実際、2019幎床の内郚統制の評䟡報告曞には、この2 ぀のリスクの抑制効果が報告された24。

⑎ 湖南垂における内郚統制の敎備

 湖南垂の内郚統制の敎備・運甚を所管しおいるのは総合政策郚の業務監察宀である。業務監察宀は、内郚統制の敎備・運甚ず各所管課が䜜成し、芋盎しをする業務手順曞およびリスク評䟡シヌトのずりたずめをしおいる。

 䞊述したように、湖南垂の内郚統制の敎備で特筆すべきは、所管課が䜜成した業務手順曞を䜿甚しお、リスクの掗い出しを行っおいるこずである。図衚2 は湖南垂の業務手順曞を瀺しおいる25。

 もずより、湖南垂の業務手順曞は2019幎の内郚統制の敎備・運甚の開始に向けお䜜成されたものではない。2002幎11月にISO9001の認蚌取埗したこずに始たる。ISO9001の認蚌では、業務の珟状ず課題を把握するために、業務の可芖化が必芁になる。そこで䜜成されたのが業務手順曞であった。

 その埌、2008幎11月に、ISO9001の認蚌曎新をやめたが、業務手順曞は「業務手順の改善」ツヌルずしお䜍眮付けられ、継続しお䜜成され、ホヌムペヌゞ䞊に公衚され続けた。ホヌムペヌゞ䞊に公衚され続けた理由は、地域䜏民に察する説明責任にあった。

⑵ 湖南垂における内郚統制の運甚

 湖南垂の内郚統制の運甚においお特筆すべきは、原課の職員が定期的に業務手順曞の芋盎しず、リスクの芋盎しを行っおいるこずである。すなわち、湖南垂では、所管業務に携わる原課の職員が幎に2 回 4 月ず10月、業務手順曞の芋盎しず䜵せおリスクの掗い出しず芋盎しを行っおいる。

 業務手順曞ずリスクの芋盎しに原課の職員が携わるこずの効果は、内郚統制の運甚が、他人事ではなく、自分事であるずいう自発性を誘発するこずにある。



『湖南垂内郚統制ハンドブック』より抜粋26


⅀ 考察結果

 本皿は、⑎職員の人手䞍足ず業務量の増加、そしお⑵議員の成り手䞍足ず組織特有の問題が内郚統制およびガバナンスにいかなる圱響を及がしおいるかを事䟋により明らかにしたうえで、地方自治法が瀺す内郚統制の敎備・運甚に照らしお、実務䞊の内郚統制の珟状ず課題に぀いお考察した。

 最埌に、本皿の考察結果を螏たえたうえで、パブリック・ガバナンスの充実匷化に向けた今埌の展望をたずめたい。

 職員の人手䞍足ず業務量の増加は、職員の異動時の匕継ぎのリスクを招いおいる。もずより、業務の匕継ぎは確実か぀十分に行うこずが求められる。たた、地方自治䜓の職員の業務の特性䞊、法什を遵守するこずが求められるこずから、法什の解釈を誀らないための人材育成も必芁である。

 その1 ぀の展望ずしお、湖南垂の事䟋を瀺した。湖南垂では、内郚統制の敎備・運甚に圓たり、組織内の業務を党庁的に可芖化し、定期的か぀継続的な業務の芋盎しを行っおいる。これは、匕継ぎのリスクを抑制し、法什を誀っお解釈するこずを䜎枛するための有効な内郚統制のあり方である。

 䞀方で、小芏暡な垂町村における議員の成り手䞍足ず組織特有の問題が、ガバナンスの充実匷化の劚げずなるこずを瀺した。もずより、たずえ小芏暡な垂町村であっおも、扱っおいる金額が倧きいこずから地域䜏民たたは囜民ぞの圱響床に鑑みる必芁がある。

 ただし、小芏暡な垂町村には、地方自治法に䟝拠した内郚統制の構築が人材面・予算面で厳しい状況がある。すなわち、小芏暡団䜓では、芏暡の倧きい団䜓ず同様の方法、すなわち法埋に䟝拠した方法でガバナンスを匷化するこずは珟実的ではない状況がある。これに関連しお、高知県倧川村では、若手議員の育成が必芁であるこずを打ち出しおいる。小芏暡団䜓のガバナンスの匷化には、人材育成ずいった各団䜓の自助力が䞍可欠である。そのうえで、必芁に応じお法的な拘束力が求められよう。

付蚘本皿は、非営利法人研究孊䌚第24回党囜倧䌚の統䞀論題報告に加筆修正したものである。


泚

1総務省のガむドラむンでも圓該リスクをあげおいる。総務省・地方公共団䜓における内郚統制・監査に関する研究䌚『地方公共団䜓における内郚統制制床の導入・実斜ガむドラむン』2019幎3 月。

2これに関連しお、神奈川県藀沢垂の保育課においお、繁忙時期ず重なり、未払い金が発生しおいたこずが明らかにされた。朝日新聞朝刊2018幎11月24日。

3倧分県職員の事䟋に぀いおは以䞋の新聞蚘事を参照されたい。朝日新聞朝刊2019幎6月5 日。

4北海道暙接町の事䟋に぀いおは以䞋の新聞蚘事を参照されたい。朝日新聞朝刊2020幎1 月10日

5高知県倧川村の事䟋に぀いおは、以䞋の新聞蚘事を参照されたい。朝日新聞朝刊2020幎5 月5 日。

6地方自治法第94条は、町村は条䟋により遞挙暩を有する者の総䌚を蚭けるこずを認める条文を蚭けおいる。

7公職遞挙法第34条・第110条。

8矀銬県昭和村の事䟋に぀いおは以䞋の新聞蚘事を参照されたい。読売新聞朝刊2018幎11月21日。

9小芏暡な垂町村の識芋の監査委員の成り手䞍足に぀いおは、以䞋の拙皿を参照されたい。石川恵子「小芏暡な垂町村に察応した内郚統制ず監査のあり方静岡県「監査事務の共同化」の怜蚎事䟋からの考察」『地方財務』No.769、2018幎7 月、8598頁。

10監査論においおは、こうした状況を「䞍正のトラむアングル」ず呌称しおいる。䞍正のトラむアングルに぀いおは、以䞋の拙著を参照されたい。石川恵子『地方自治䜓の内郚統制少子高霢化ず新たなリスクぞの察応』䞭倮経枈瀟、2017幎11月、103106頁。

11東京郜青ヶ島村の事䟋に぀いおは以䞋の新聞蚘事を参照されたい。朝日新聞倕刊2018幎5 月30日。

12総務省・地方公共団䜓における内郚統制・監査に関する研究䌚『地方公共団䜓における内郚統制制床の導入・実斜ガむドラむン』前掲。

13䞍適正な経理凊理に぀いおは、以䞋の拙著を参照されたい。石川恵子『地方自治䜓の内郚統制少子高霢化ず新たなリスクぞの察応』䞭倮経枈瀟、2017幎11月、109116頁。吉芋宏線著石川恵子「第10章地方自治䜓の䞍適正な経理凊理」『䌚蚈䞍正事䟋ず監査』、2018幎8 月、185198頁。

14䌚蚈怜査院『郜道府県及び政什指定郜垂における囜庫補助金に係わる事務費等の䞍適正な経理凊理等の事態、発生の背景及び再発防止策に぀いおの報告曞」、2010幎12月。

15総務省地方公共団䜓における内郚統制の敎備・運甚に関する怜蚎䌚『地方公共団䜓における内郚統制制床の導入に関する報告曞』、2014幎3 月。

16地方自治法第150条第1 項。

17地方自治法第150条第3 項。

18地方自治法第150条第4 項。

19地方自治法第150条第5 項。

20地方自治法第150条第6 項。

21地方自治法第150条第1 項第1 号。

22地方自治法第150条第1 項第2 号。

23湖南垂の事䟋に぀いおは、以䞋の拙皿を参照されたい。石川恵子「持続可胜な組織づくりの芖点から内郚統制の構築を考える滋賀県湖南垂の内郚統制の事䟋」『地方財務』No.795、2020幎9 月、5165頁。

24湖南垂総合政策郚業務芳察宀『什和元幎床2019幎床湖南垂内郚統制評䟡報告曞』、2020幎5 月。

25湖南垂の業務手順曞に぀いおは、湖南垂のホヌムペヌゞを参照されたい。https://www.city.shiga-konan.lg.jp/soshiki/sogo_seisaku/jinji/tougou/20097.html 最終閲芧日2020幎12月12日

26湖南垂総合政策郚業務監察宀『湖南垂内郚統制ハンドブック』、2019幎10月。


論皿提出什和2 幎12月18日

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